あれは私が小学五年生だった頃の話です。
私の親友のAちゃんには、来月に産まれる予定の妹がいました。
Aちゃんは妹の誕生をそれはもう心待ちにしていました。
けど、お母さんの調子が思わしくなくてAちゃんは毎日「どうしよう…」と呟いては泣き出してしまう日々を過ごしていました。
そんなある日、Aちゃんから「エンジェル様をやりたい」と相談を持ちかけられました。
私の学校ではにわかにオカルトブームが巻き起こってまして、エンジェル様もそんなブームを担う一つでした。
わたしはあまりオカルトが好きではなく、正直そんな不気味な物やりたくはなかったのですが、それでAちゃんの気が少しでも休まるならと渋々承諾しました。
そして、Aちゃんとわたし、もう一人の友達のBちゃんと一緒にAちゃんの家でエンジェル様を行うことにしたんです。
エンジェル様はコックリさんとそっくりの儀式で、紙の上に50音や「はい」「いいえ」などの選択肢を書き込んで、それを通してエンジェル様にいろいろな質問を投げかけるという遊びです。
私たちはAちゃんが用意した紙の上に10円玉を置き、エンジェル様を呼び出しました。
後から知ったのですが、エンジェル様の場合は10円玉ではなくペンを使うのであって、コックリさんと混ぜこぜになってしまていたのですが、ともかくエンジェル様の呼び出しには成功しました。
成功、したのです。
「エンジェル様、エンジェル様、お越しいただけましたか?」
“はい”
Aちゃんが緊張した面持ちで続けました。
「エンジェル様、エンジェル様、私の妹は無事生まれてくるでしょうか?」
“いいえ”
息を呑むAちゃん。
わたしはこの時までAちゃんかBちゃんが10円玉を意識的にか無意識的に操作していると思っていました。
けど、AちゃんもBちゃんもこんな事を言うはずがありません。
わたしはわたしで、このエンジェル様という儀式に信憑性を感じて緊張を高めました。
「エンジェル様!どうか…妹を助けてください!」
目に涙を溜めて懇願するAちゃん。
“はい”
「エンジェル様!助けて頂けるのですか!?」
Aちゃんが声に喜色を滲ませました。
けど、次にエンジェル様はこう示しました。


























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