お時間
投稿者:りう (54)
短編
2022/03/16
22:36
2,019view
日曜の昼下り、自宅の駐車場で洗車をしていた。
男「こんにちわ。少しお時間よろしいですか?」
一目見て、飛び込み営業と分かった。
私「見たら分かるでしょ。洗車してる。忙しい。」
嘘じゃない。今から水を拭き取って、その後はワックスが待っているのだ。
男「お手伝いしましょうか?その後にお話を…」
若い青年だった。
私「いやいや、ありえないでしょ。帰れよ。」
男「それでは終わった頃お伺いしてよろしいですか?」
私「何の営業?」
男「ガス温水器です。」
私「ああ、うちオール電化だから。もう来ないでよ。」
男「ご試算だけでも見ていただけませんか?」
私「初期投資する予算がない。やらないから。」
男「お時間、少しだけでも…」
私「警察呼ぶぞ!帰れっ!」
やっと帰った。
その後、ワックスを終えてリビングでゆっくりしていたらチャイムが鳴った。インターホンの映像には、帽子をかぶった運送屋さんが映っている。
私「はーい。」
相手「終わりましたね洗車、お時間よろしいですか?」
前のページ
1/1
この話は怖かったですか?
怖いに投票する 62票
※コメントは承認制のため反映まで時間がかかる場合があります。