深夜、病院内に響くお経

病院で働いていると不思議な経験をする事があります。

何かが見えているのか、特殊な力が備っているのか、不思議なことが起こることがあります。

ある患者さんが夜中の2時頃、10分程度お経を唱える事がありました。
深夜の病院で響くお経。夜勤で働いている看護師さんも、さすがに気味が悪いと話していました。難聴の影響か寝ぼけているのか、お経を唱えている時は何を言っても反応してくれません。
唱え終わるとすぐさま眠りにつく。そして、その夜には誰かが亡くなる。そんなことが1ヶ月間で3回も立て続けに起こっていました。あの患者さんは何かを感じ取っていて、お経という形で伝えている。看護師さんはそんな話をしていました。

そんな中、その患者さんが亡くなりました。この病院で看取りをする予定ではあったので驚きはなかったのですが、その日夜勤の担当していた看護師さんが白い顔をしていました。

理由を聞いてみると…。
「あの患者さんがお経を唱えたら誰かが亡くなるって話、知ってる？それでね、昨日もお経を唱えてたの。怖いからもうやめて、何回もお願いしてたの。そうしたら、今まで返事をしなかった患者さんがこっちを見て…。」

「これが最後のお経です。」って。