保育士の友人から聞いた話です。
S子ちゃんという子がいて、良く喋る元気な3歳児だったそう。
少し窓を開けて保育をしていたそうで、ある日、S子ちゃんが窓の外を見て「遠くに人がいる」といったそうです。
落下防止のストッパーがあるため、少ししか窓が開いていない状態で、友人は外をちらっと覗いてみても誰もいません。
でも、S子ちゃんは人が立っていて「あっちを向いてる」と言っています。
友人は気味が悪いと思いつつ、ストッパーを外して窓を開けて身を乗り出して外を見てみましたが何も見えません。
窓はちょうど角地にある保育所の2階にあって、面した道路は車通りは少なかったようです。
友人は再びS子ちゃんに、どこに見えるから聞きました。
S子ちゃんは、道路の向こう側、角のところにあるゴミ捨て場を指さして言います。
「とてもちいちゃい、ぐにゃっとしてる」と。
友人は、じっとゴミ捨て場を見ますが、何も見えません。
S子ちゃんは、おーいおーいと大きな声を出します。
結局、良く分からず、友人はS子ちゃんのことを、変わった子だなと思ったそうです。
数年後、友人は近くのスーパーで、S子ちゃんとお母さんに会いました。
S子ちゃんはテニスを始めたそうで、コーチから動体視力が良く球技向きだと言われていると、雑談で教えてくれました。
友人は目が悪く、車の運転時のみ眼鏡をつけています。友人はS子ちゃんの、「人がいる」と言ったことが気になっていて、こっそり本人に聞いてみました。
S子ちゃんは、ちょっと考えてから、言いにくそうに言いました。
「カーブミラーに見えてたの、とても小さく。ゴミ捨て場のところにあったでしょ。
ほら、私、良く見えるだけだから。大丈夫。カーブミラーに、後ろ向いてるのが見えて、でも、何で後ろなんだろう?って思ったの。その人は見えなかったのに変だね。」
後日友人は窓からそのカーブミラーの写真を撮って、拡大して見てみました。
ちょうど保育所の窓の下を写していたそうです。
窓のすぐ下にいたってことか
地味に怖い
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