墓でやらかして白い手に悪戯された怖い話
投稿者:with (43)
俺が実際に体験したオカルト的な話。
高校生の頃悪友4人とよく墓所に集まって酒盛りをしていた。
酒盛りと言っても本当にアルコールを飲んでたのは中でもやんちゃなAだけで、俺と他のメンツはコーラと菓子で雰囲気に酔っていた。
で、なんで墓所かというと当時は心霊ブームが流行っていて、俺達も心霊スポットでバカ騒ぎしてた一部のパリピみたいなもんだった。
この日も閑静な住宅街のポツンとした墓園にやってきて、深夜の暗がりの中懐中電灯をいくつか点けた状態で祭りのように騒いでいたんだが、心霊現象が起きない事に酔っぱらっていたAが次第に不機嫌になり、
「出てこいや!」
なんて叫びながら手足を伸ばした時、他所様の花立を蹴り倒してしまった。
「バカかお前」
流石にそれは不味いと感じたのかシラフの俺達は散らばった花束と花立を元に戻した。
一見してひび割れていない事に安堵し、完全に出来上がったAを捕まえてお開きする事になった。
自転車で来てた奴らはそのまま帰っていき、徒歩の俺とBは、酔いつぶれたAの介抱をしながら夜道をぶらりしながらゆっくり帰る事にした。
どこまでも暗闇が続いているような閑静な住宅街の中、不意にBが口を開いた。
「なあ、今背中触った?」
「いんや?」
俺がそう答えるとBが不思議そうに首を傾げて背中を振り返る。
Aが触ったんじゃないかと疑ってみるが、眠たそうにうとうとしていた。
「おい、何だよ」
また誰かに肩を叩かれたと言いBが声を荒げるので、俺は足を止めてBを見た。
すると、Bの右肩に白い手が乗っていることに気が付いた。
咄嗟にAを見るが、Aは俺が肩車している状態で片方の手はだらりと揺れている。
Bが不思議そうに俺を見た後、俺はBに「ちょっとこっちに走れ」と強張った表情で言った。
近くに来たBの肩を見ると手は忽然と消えていて、俺は今のうちに逃げようと考えた。
「Aの家までちょっと急ごう」
「お、おう」
千鳥足のAを二人がかりで肩車して速足でAを自宅まで送り届けた帰り、二人きりになった俺にBが疑問を投げかける。
「もしかして俺の後ろなんかいたの?」
「まあ、いたというか、乗ってたっていうか」
俺はしどろもどろになりながらもBの肩に手が乗っかってた事を話すと、Bは表情を歪めて嫌そうに口を開く。
「ぜってーAのせいで呪われてんだわ。クッソ、何で俺に憑くんだよ」
と言いBはちょっとキレ口調で地団駄を踏んでた。
なんかリアルにありそうだな…