墓でやらかして白い手に悪戯された怖い話
投稿者:with (43)
翌日、俺達はAに部屋に呼び集められた。
いつになく怒り気味のAは徐にシャツを脱いで背中を見せてきたんだが、赤い手形がくっきり浮き出ている事に俺は驚愕した。
「なにそれ?昨日酔っぱらって帰って母ちゃんにやられたん?」
仲間はゲラゲラ笑いながらAを揶揄ってたが、俺とBだけは思い至る事があったので何処か苦笑いしていた。
「うっせーな、誰がやったんだよ」
Aも本気で怒ってる様子はなく、仕返しに同じ事をしてやろうと考えている口ぶりだった。
勿論、この中には犯人はいないので、昨晩Aを送り届けた俺とBに疑惑の目が向けられた。
「お前らか?」
「違うって、マジで。てか送り届けてやったのに疑うとかひでーわ」
Bの言葉にさすがのAも何も言えないのか、ツンデレ宛ら礼を述べられて俺達は事無きを得た。
その日の帰り、俺とBは先日の墓園に赴き花立を倒してしまった墓前に手を合わせにいった。
「昨日は本当にすみませんでした」
謝罪の意思を口頭に乗せ、軽く近辺の掃除をしたのだが、住職と思しき袈裟姿の坊主が遠くから俺達を見て、何度か頷いて笑顔で立ち去って行った。
たぶん、墓掃除に来たボランティアとか、そんな勘違いしてたと思う。
それから俺とBに何も起きていないので、特段怒りを買ったとか呪われているとかはないだろう。
Aの背中の手形も徐々に消えていき、至って平穏に過ごせている。
きっと墓を荒らされた仕返しの悪戯だったんだろうと俺とBは不思議と受け入れた。
以上が、俺が体験した話だ。
なんかリアルにありそうだな…