家の前にいる
投稿者:クーワ (4)
インターホンの室内モニターってありますよね。
転勤族の父は引っ越し先のアパートを選ぶ時、必ずモニター付きを条件指定します。
今のご時世、どんな人が訪ねてくるかわかりませんから。
愛知県に引っ越した父は、その時ももちろん、モニター付きの家を選びました。
少し古めだが、リフォームされていて室内は綺麗であり、値段の割に広い。
何度か私自身も行ったことがありますが、キッチンも十分な広さで、日当たりも良い。
一点を除いては大満足だったようです。
その「一点」というのが、今回ご紹介するお話です。
室内モニターの話に戻りますが、その家の室内モニターはただ見えるだけでなく、録画機能もありました。
この録画機能がかなり便利で、留守中の来訪者もわかりますし、幸い経験はないですが、空き巣の際などに証拠を残せる可能性もあります。
(最新のものではないため、インターホンを押した時の静止画が残る程度でしたが)
住み始めたころ父は、この録画機能を頻繁に確認したり、朝出かける前にインターホンが鳴ってなくてもモニターの画面をONにして、家の外を確認してから外出したりしていました。
犯罪率の高めの地域に住むと言うこともあり、少し注意深くなっていたんです。
ある休日、酒好きの父は夜に酒が欲しくなり、近くのスーパーにでも行こうと簡単に出かける準備をしました。
普段は夜外出することはあまりなく、朝昼しかモニターを覗くことはなかったのですが、家を出る直前にモニターを見てみることにしました。
カチッとモニターをONにすると、想像していなかったものが映りました。
人の後ろ姿です。
髪は長めで恐らく女性、黄色い服を着ていました。
モニターの画質なのではっきりとはわかりませんでしたが、黄色い服のところどころが赤茶色?に汚れていて清潔には見えなかったそうです。
何でうちに背を向けてるんだろうか…
外を覗いたとき、人を見ることはありましたがインターフォンに背を向けて立っている人は初めてでした。
不審者だと思い、「酒買いに行けないじゃん…」とうんざりしながら、今度は玄関の覗き窓から外を見てみることにしました。
すると、見えてきたのはいつものドアの外の光景でした。
あれ?いなくなった?
短時間の出来事なので不思議には思いましたが、まあ、いないに越したことはない。
父は財布と鍵だけ持ってゆっくりドアを開け、誰もいないのを確認しつつスーパーへ行きました。
全体的にとても怖い。
それはそれとして件の女性幽霊(?)の魂の叫びが妙に可笑しい。
“深夜にしつこくドアをノックされるのに確認すると
外には誰もおらず、実はオバケが内側から叩いていた”
という話と同じくらい怖いです 防犯カメラは異常事態に
限らず、面識の無い人間が写っていても充分に怖いです