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心霊

キジニャンさんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

雨の日の競馬場
長編 2026/08/17 04:01 166view

その地方競馬場には、地元の競馬ファンの間で昔から妙な噂がある。

「大雨の日には、夜まで競馬場に残るな」

理由を尋ねても、年配のファンはあまり詳しく話したがらない。

ただ、

「雨の日の最終レースが終わったら、すぐ帰れ」

それだけを言う。

その競馬場では、30年ほど前、大雨の中で行われたレース中に騎手が落馬する事故があった。

馬場は田んぼのようにぬかるんでいた。

レース中、先頭集団の一頭が水たまりで脚を取られ、転倒。

その真後ろを走っていた騎手が避けきれず、落馬した。

頭部への衝撃はなかったという。

しかし、首を強く打っていた。

搬送された病院で頸椎骨折が判明し、その日のうちに亡くなった。

騎手はまだ若かった。

ーーーーーーーーーー

ある夏の日。

僕は仕事の都合で、その競馬場に行くことになった。

天気予報では夕方から雨。

ところが昼過ぎから雲行きが急激に怪しくなり、メインレースの頃には猛烈な雨になった。

傘を差しても意味がないほどだった。

雨粒が顔に当たって痛い。

雷まで鳴り始めた。

「こんな日に競馬やるのかよ」

そう思いながら、僕は最終レースを見ていた。

すると、向こう正面に妙なものが見えた。

観客席からでは、遠くてよく分からない。

しかし、確かに馬が一頭走っている。

出走馬ではない。

ゼッケンもない。

騎手だけが、妙に古いデザインの勝負服を着ている。

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