一年前、親友である並火一鶴(なみびいちづる)が亡くなった。死因は重度の糖尿病だった。
そして今日、一鶴の一周忌である。親戚一同が一鶴の実家に集まっている。
僕は、生前彼が好きだったポテトチップスを仏壇にお供えさせて貰った。彼の両親は、「きっと一鶴は喜んでるよ」と目に涙を浮かべた。
その時、
ガサガサッガサッ。
という音が仏壇から聞こえた。
何か虫でも居るのか。
僕は仏壇に近付いた。と、僕の口から「あっ!」という声が漏れた。
なぜなら、ポテトチップスの袋が開いて、中身が半分以上減っていたからだ。
一鶴が食べに来たのだ。
怪奇現象ではあったものの、私達親戚一同はその時は全く恐怖を感じなかった。
でも、後から考えて可怪(おか)しな点が一つあった。
それは、残りのポテトチップスが全て砕けていた事だ。一鶴は温厚で、食べる事が好きだった。そんな一鶴が食べ物を粗末にするとは思えない。
つまり、恐らくあれは一鶴ではない何者かがやったのだ。
そういえば、一鶴の家に入る時、黒い人影のようなものが見えたような……
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