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不思議体験

kanaさんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

サンタクロースの正体
短編 2025/12/10 22:02 196view

それはクリスマス・イブの夜の事。

「ミオちゃん・・・ミオちゃん・・・」誰かがミオの名前を呼ぶ。

眠い目をこすりながら、ミオは目の前にサンタクロースが立っていることに気が付いた。

「あ・・・サンタさん?」

「メリークリスマス、ミオちゃん。いい子にしてたかな?」

「うん」

「ママの言うことはちゃーんとよく聞いてるかな?」

「うん」

「幼稚園は楽しいかい?」

「うん・・・いじわるな子もいるけど、へいきよ」

「ミオちゃんは強いんだね」

ミオは布団に入りながら、サンタとしばらくの間お話をしていた。

やがてサンタは持ってきた絵本を取り出し、ミオにそれを読み聞かせてあげた。

時々サンタの優しい手がミオの頭をなでる。

ミオは暖かい幸せな気持ちの中で、いつのまにか再び眠りについていた。

・・・・・・・・・・・・

翌朝、目が覚めたミオは、枕元に絵本と、毛糸で編んだかわいい手袋があるのを見つけた。
それを持って急いでベッドルームを飛び出し、キッチンにいたママにそれを見せびらかした。

「サンタさんよ! 昨日サンタさんが来てプレゼントを置いて行ってくれたの!!」

「わ~、かわいい手袋ね。よかったわね」とママは演技をしてみせた。

なぜなら、その手袋はミオには内緒でママが編んだものだったし、絵本もそっと枕元に置いてきたものだったからだ。

「いいでしょ~」ミオは上機嫌となり、幼稚園にもその手袋をはめて行った。

・・・・・・・・・・・・

幼稚園に着くと、園児らの間でちょっとしたクリスマス談議になっていた。

サンタは本当にいるのか、いないのかという論争だ。

ミオはもちろん、昨夜の出来事を語り、サンタは本当にいるんだと言った。

ちょっとおませでいじわるな子は、サンタの真実を大きな声で皆に言った。

「あのねー! サンタさんの正体はね、本当はパパなんだよ!!」

「ええ~~~」と驚く子もいれば、「そんなの知ってるもん」と嘘ぶく子もいた。

そんな中、ミオはその友達の事を見つめながら、やがてポロポロと大粒の涙を流した。

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