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不思議体験

kanaさんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

サンタクロースの正体
短編 2025/12/10 22:02 195view

友達の方もまさか泣かれるとは思っておらず、あたふたしてしまった。

「泣ーかしたぁ、泣ーかした~」周りの男子がはやし立てるものだから、

いじわるな子もとうとう泣いてしまった。

ミオはそんな子にハンカチを差し出して、涙を拭いてあげていた。

もうミオは泣いていない。

「ごめんね、大丈夫だよ。もう泣かなくていいんだよ」そう友達をなぐさめた。

・・・・・・・・・・・・

夕方になり、迎えに来てくれたママにミオは走り寄った。

「あのね、今日すごい秘密を知ったの!!」

「えっ?なに?なんの秘密?」その問いかけにミオはしばし考えて、

「おうちに帰ってから教えてあげる!!」ともったいぶった。

・・・・・・・・・・・・

やがて家につくと、ミオは部屋の奥に向かって大きな声で叫んだ。

「パパー!! パパ!! いるんでしょ!!」

そしてママに向かって誇らしくこう言った。

「ママ! 知ってる? サンタさんって、パパだったんだよ!」

「あぁ、それが秘密なのね」

「昨日の夜、私に絵本を読んでくれたの、サンタさんじゃなくてパパだったんだ!」

ミオは玄関先でもたもたしているママの手を引いて、

急いでパパのところへ連れて行こうとする。

「え? パパが読んでくれたの? ・・・絵本を?」

ミオの顔を不思議そうに見ながら、ママもパパのところへ向かった。

ママのベッドルームの片隅に、昨年事故で亡くなったパパの遺影が飾られていた。

二人は遺影に手を合わせながら、パパの思い出をいつまでも語り合った。

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