友達の方もまさか泣かれるとは思っておらず、あたふたしてしまった。
「泣ーかしたぁ、泣ーかした~」周りの男子がはやし立てるものだから、
いじわるな子もとうとう泣いてしまった。
ミオはそんな子にハンカチを差し出して、涙を拭いてあげていた。
もうミオは泣いていない。
「ごめんね、大丈夫だよ。もう泣かなくていいんだよ」そう友達をなぐさめた。
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夕方になり、迎えに来てくれたママにミオは走り寄った。
「あのね、今日すごい秘密を知ったの!!」
「えっ?なに?なんの秘密?」その問いかけにミオはしばし考えて、
「おうちに帰ってから教えてあげる!!」ともったいぶった。
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やがて家につくと、ミオは部屋の奥に向かって大きな声で叫んだ。
「パパー!! パパ!! いるんでしょ!!」
そしてママに向かって誇らしくこう言った。
「ママ! 知ってる? サンタさんって、パパだったんだよ!」
「あぁ、それが秘密なのね」
「昨日の夜、私に絵本を読んでくれたの、サンタさんじゃなくてパパだったんだ!」
ミオは玄関先でもたもたしているママの手を引いて、
急いでパパのところへ連れて行こうとする。
「え? パパが読んでくれたの? ・・・絵本を?」
ミオの顔を不思議そうに見ながら、ママもパパのところへ向かった。
ママのベッドルームの片隅に、昨年事故で亡くなったパパの遺影が飾られていた。
二人は遺影に手を合わせながら、パパの思い出をいつまでも語り合った。
























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