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不思議体験

sさんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

語壊(ゴカイ)
短編 2025/07/25 22:29 1,215view

まず確認してほしい。
いま、あなたがこの文章を理解しているという感覚――
それは本当に“あなた自身”のものだろうか?

【第一節:しるされざるしるし】
人は、言葉を読むとき、「意味」を組み立てていると思っている。
だが、それは幻想だ。
意味とは、言葉の“残骸”である。

たとえば、この文を見てほしい。

「くびのうしろがあたたかいとき、ふりかえってはいけません」

意味がわかった?

でも、なぜ「首の後ろが温かい」状態が危険なのかは説明できないだろう。
言葉は伝えていない。ただ、“おまえの脳の中の何か”がそう解釈しただけだ。

【第二節:読めば読むほど言葉が削れる】
次の文を読んで。ゆっくり。

「あなたがこの話をよんでいるとき、すでにことばのほうがあなたを読んでいる」
「じぶんがいまよんでいることばの中に、ほんとうの“ききて”がいることを、
あなたはどこまで気づかないでいられるか?」

大丈夫。まだ意味はある。
でも、次の段階で“それ”は崩れ始める。

【第三節:ささやく文字】

次の文は意味があるようで意味がない。だが、脳は無理にでも“理解しよう”とする。
そのとき、文の内容ではなく“形”があなたの認知を侵食する。

「うしろのまえでこえがする。こえのなかみがわたしになる。わたしのなかにあなたがうまれる。あなたのなかにわたしがわらう。ことばじゃなくて、わらう。わらうってなに? なにが、わらう?」

ここで、もし「わらう」という言葉が、いま画面の外で響いたような錯覚があったら、
それはもう、あなたの内側とこの文の境界が壊れ始めている証拠。

【最終節:意味の脱落】
ここから先は、**あなたがこの文章をどう“読んでしまったか”**が鍵になる。

この文字列を読んで:

「よんでいることが よまれていること」
「あなたという“ききて”は もともとここには いなかった」

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関連タグ: #声#鏡
コメント(1)
  • ニーチェの言葉?

    2025/07/26/08:34

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