深夜の学校。陽菜(ひな)は、忘れ物を取りに戻った教室で奇妙な違和感を覚えた。教室の時計は止まっており、窓の外には月明かりすらない。机の上には、見覚えのない古びたノートが置かれていた。
ノートを開くと、そこには「この教室に入った者は、記録される」とだけ書かれていた。ページをめくると、そこには過去の生徒たちの名前がびっしりと書かれている。最後のページには、陽菜の名前が赤いインクで記されていた。
突然、教室のドアが音もなく閉まり、鍵がかかる音が響いた。陽菜は慌ててドアを開けようとするが、びくともしない。窓の外を見ても、そこには真っ暗な闇しか広がっていない。
ノートの文字が勝手に動き出し、「次の記録を残せ」と書かれる。陽菜は恐怖で震えながらも、ペンを手に取るしかなかった。彼女が何かを書き始めると、教室の壁に無数の手形が浮かび上がり、彼女を取り囲むように迫ってきた。
最後に陽菜が書き終えた瞬間、教室のドアが開いた。しかし、彼女が振り返ると、ノートには新たな名前が記されていた。
「次は、あなたの番です。」
前のページ
1/1
この話は怖かったですか?
怖いに投票する 6票

























※コメントは承認制のため反映まで時間がかかる場合があります。