憧れの先輩
投稿者:たち (16)
中学校に入学し、私は1人の先輩に密かに恋をしていました。
大人しそうで、メガネをかけ、髪を一つに束ねている女の子。
初めはそんなに気にならなかったが、なぜか惹かれ始め、廊下などで見かけては目で追うようになっていました。
朝、「おはようございます。」と声をかけると笑顔で、「おはよう」と挨拶してくれます。
私はそれだけですごく嬉しかったです。
学年毎に教室が1階、2階、3階と分かれているので何組なのかはわかりませんでした。
そればかりか名前もわかりません。
たまに見かけるだけ。挨拶程度しか会話をしたことがないという状況が続き、一年が経ちました。
私は2年生になり、先輩は3年生に。
そんなある日のこと、私は告白され、同級生の女の子と付き合うことになりました。
勉強、部活、恋愛と充実した日々を過ごしていました。
付き合いだして、半年程経った頃に彼女から突然、「ごめん、別れよう…」と告げられました。
私は、「何か悪いことをしたかな?」と考えましたが心当たりがありませんでした。
「俺は別れたくないけど…
何か悪いことしたかな?」と尋ねました。
すると彼女は、申し訳なさそうに首を横に振り、
「悪いことは何もしてない!本当は私も別れたくない。これからも一緒にいたい。
だけど……いるの。」と俯きながら言いました。
私は何のことを言ってるのかわかりませんでした。彼女に、「いる?」と聞くと。首を縦に振りました。私は「何が?」と尋ねると沈黙が続き、小さな声で、
「女の人」と言いました。
私は全く理解できず、お互い黙っていました。
すると彼女が、
「学校で会って話とかしてる時、後ろの方で○○のことをずっと見てるの。女の人が。」
「えっ?誰?知ってる人?」と聞くと、
「知らない人。メガネかけてて、髪を束ねている。○○に気づかれないように角からこちらを見てるの。ごめんね。私、もう耐えられなくて…結構前から気づいていたんだけど、なかなか言えなくて…」
私は少しイラッとしました。
「誰だよ!そんな気持ち悪いことしてるの。」と思いながら彼女に、
「ごめんね。辛い思いさせて…」と言うと彼女は首を振りながら泣いていました。
その後、不可解なことが起こり始めました。
女の子と何気ない会話をしてると、私の後方に目線がいっていることが多くなりました。
私は女の子から徐々に避けられるようになりました。
ある女の子に聞いたのです。
「ねぇ、なんで後ろ見てるの?」と。
少し怖がりながら、
「なんか、知らない女の子が見てるんだよね…」
と答えてきました。
私は、「もしかして、メガネかけてて、髪を束ねてる人?」と聞くと首を縦に振っていました。
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