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心霊

太山みせるさんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

ある日の出来事
短編 2024/10/01 12:58 956view

今から10年ほど前に、サトシにおきた話

朝起きたら奥さんが、具合が悪いと言っていた
前日に友達と飲み会に行っていたので、飲みすぎたんだろうと最初は思ったそうだ

だが夏なのに、寒い寒いと震えていて、微熱もある

病院は日曜日で休みで、奥さんが寝ていれば大丈夫と言うので、風邪薬を飲ませて様子を見ることにした

サトシはその日は用事がなかったので、一日中、家にいてあげることができた

そのうちに奥さんは眠ってしまった
深い眠りについたようで、お昼を過ぎても起きない
風邪薬は朝夕一日2回のタイプだったので、昼に飲む必要はなく、だからそのままそっとしておいてあげた

だがいつまで経っても起きる気配がない

心配しているうちに、夜の10時になってしまった

さすがに薬を飲ませなくてはいけないと、妻を起こしに行こうとした時、

『ピンポーン』
チャイムが鳴った

(こんな時間に誰だ?)
サトシはドアスコープで覗いたが、誰もいなかった

ドアを開けても誰もいない
外に出て左右を見ても、誰の気配も感じなかった

(チャイムの不具合かな?)
そう思い、中に入ってドアを閉めようとした

その瞬間、強い力でドアが外側に引っ張られた

「!!」
誰かがドアを開けようとしている

身の危険を感じたサトシは、必死にドアを閉めようとした
だが外からの力は強かった
何者かとの引っ張り合いで、ドアが壊れる心配もあるが、負けたら何をされるか分からないし、妻も守らなければいけない

「うぐーーー!」
サトシは渾身の力を込めて引いた

バタン

どうにかドアは閉まった
慌てて鍵とチェーンを掛けて、ホッと息をつく
「何だったんだ……」

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