ある日の出来事
投稿者:太山みせる (36)
短編
2024/10/01
12:58
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再びドアスコープを覗いたが、やはり誰もいなかった
すると、背後に気配を感じた
振り返ると、そこに見知らぬ女がいる
長い黒髪を振り乱し、真っ青な顔で白目をむいた女が、無表情で立っていたのだ
「ぎゃあ!」
思わず、サトシは悲鳴を上げた
だが、よく見るとそれは奥さんだった
「な、何してるんだ?……もう体は大丈夫なのか?何で白目をむいているんだ?」
当然の疑問だろう
だが奥さんは、それには答えずに玄関を指差し、
「私を、殺しに、来ている」
と別人の声で言って倒れた
慌てて駆け寄り、抱きかかえてベッドに運んだ
そのまま奥さんは朝まで起きなかった
誰かが妻を殺そうとしている?
そう思うと怖すぎて、サトシは眠れなかった
※
朝になると奥さんはスッカリ良くなっていて、昨夜の話をしても、覚えていないと言っていた
だが一昨日の飲み会に、よく心霊スポットに行く友達がいたという
その人が連れてきたモノが、やって来たのだろうか?
もしくは具合が悪い時点で奥さんは何かに取り憑かれていて、その何かに恨みを持ったモノが、殺しに来たのだろうか?
もしあの時ドアから入って来たら、どうなっていたのだろうか?
疑問だらけだが、その後は特に何もないというので、私は安心した
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