ある日の出来事
投稿者:太山みせる (33)
今から10年ほど前に、サトシにおきた話
朝起きたら奥さんが、具合が悪いと言っていた
前日に友達と飲み会に行っていたので、飲みすぎたんだろうと最初は思ったそうだ
だが夏なのに、寒い寒いと震えていて、微熱もある
病院は日曜日で休みで、奥さんが寝ていれば大丈夫と言うので、風邪薬を飲ませて様子を見ることにした
サトシはその日は用事がなかったので、一日中、家にいてあげることができた
そのうちに奥さんは眠ってしまった
深い眠りについたようで、お昼を過ぎても起きない
風邪薬は朝夕一日2回のタイプだったので、昼に飲む必要はなく、だからそのままそっとしておいてあげた
だがいつまで経っても起きる気配がない
心配しているうちに、夜の10時になってしまった
さすがに薬を飲ませなくてはいけないと、妻を起こしに行こうとした時、
『ピンポーン』
チャイムが鳴った
(こんな時間に誰だ?)
サトシはドアスコープで覗いたが、誰もいなかった
ドアを開けても誰もいない
外に出て左右を見ても、誰の気配も感じなかった
(チャイムの不具合かな?)
そう思い、中に入ってドアを閉めようとした
その瞬間、強い力でドアが外側に引っ張られた
「!!」
誰かがドアを開けようとしている
身の危険を感じたサトシは、必死にドアを閉めようとした
だが外からの力は強かった
何者かとの引っ張り合いで、ドアが壊れる心配もあるが、負けたら何をされるか分からないし、妻も守らなければいけない
「うぐーーー!」
サトシは渾身の力を込めて引いた
バタン
どうにかドアは閉まった
慌てて鍵とチェーンを掛けて、ホッと息をつく
「何だったんだ……」
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