九尾伝説
投稿者:イエティ (51)
九尾伝説、ルーツや正規の伝説はググれば出てくると思う。
これは、大叔母が子供の頃、大叔母の祖父に聞いた話。
大叔母の祖父の主観で書きたいと思います。
土地柄、キツネが多い地域だった。
4つ上の近所のねえさん、トキさんと、雪の中遊んでいた。
トキさんは、寺の生まれで、次の春で巫女さんになってしまう。
代々ある3つの家系から順番に婿を取り、子供を作るのがこの寺。
俺は、トキさんが知らない男と結婚するのが嫌だった。
それに、トキさんのお母さん、おばあちゃん、そのまたおばあちゃんも、
30歳になる前に亡くなっている。
巫女になるからいけないんだ、と、トキさんに巫女にならないように説得した。
トキさんは俺のことを好いていてくれて、寺から一緒に逃げることにした。
山に囲まれたこの村から逃げ出すには、雪が解けないといけない。
でも、雪が解けるのは春になって少し経ってから。
山を越えた隣の村に、俺の兄ちゃんが婿に行った。
隣の村まで行ければ…そう思った俺たちは、雪山を歩きだした。
案の定、すぐに迷ってしまった。
女の子のトキさんはかなり体力を消耗していて、もう動けそうにない。
洞窟を見つけ、俺たちはそこで暖を取った。
不思議だ。もう日が暮れたのに、洞窟の中は青っぽく淡く光っている。
ふと、父親に言われたことを思い出した。
「夜でも明るい洞窟があったら、赤い光だったら逃げなさい。
青い光だったら祈りなさい。狐の神様がいるから、でも姿を見てはいけないよ」
赤い光というのは、火のことで、山賊がいることを示すから、だ。
この洞窟は青い。
つまり、この奥に狐の神様がいるかもしれない。
姿を見てはいけないって言われてたが、もしかしたら道を知っているかもしれない。
洞窟の奥へ奥へと進んだ。
途中、少し開けた場所に出た。
切ねえ…
寺にも巫女が居てるんだ!
キツネは残忍ですね