やはり戦争の傷跡は

私は旅が好きで何度か沖縄に行った事があります。

沖縄の那覇市は街が賑やかで、各島々も海が綺麗です。

沖縄というと戦時中は激戦区になってしまった地域でもあります。私はひめゆりの塔へ行き、お参りに行った事もあります。私がある時、ひめゆりの塔の少し離れた場所の民宿へ泊まった時の話しです。

私は妻と２人で夕方に民宿へ泊まりに行きました。外装は年季の入った作りですが、中は割かし綺麗な作りでした。案内された部屋へ入ると、和室の部屋に古びた日本人形が3体。他には滝の絵柄の掛け軸が掛けてありました。

私と妻は2人で部屋で夕食を済ませ、部屋にあったテレビを見ていました。

テレビを見て１時間程すると、テレビが急に消えて部屋の灯りが消えました。私と妻は直ぐに民宿の主の部屋に行き、状況を説明しました。主は家族で民宿を切り盛りしている様でした。

家族の中でも老婆になる女性が、急にこの辺りは旧日本軍の兵士の霊が出る。と気味悪い事を云ってきました。

私と妻は疲れていたので、部屋に戻り寝床に着くと。誰かの足音が聞こえてきました。不信に思い、部屋の廊下を歩いていると、何故か男性らしき大きさの足跡が付いていました。少し変に思い少し時間が経つと、再び男性の足音が聞こえてきました。再び廊下へ行くと、旧日本軍の兵隊が立っていました。慌てて私は部屋の布団の中に潜りました。

次の日の朝に、民宿の主に昨日の夜の話しをしたら、主はこの辺りではよくある光景なのですよ。近くにひめゆりの塔があったり、昔この辺りは戦場の激戦区であったからですよ。私達は見慣れた光景です。とサラリと語ってくれました。私と妻は今でも忘れません。