憑依不倫(R-18)
投稿者:四川獅門 (33)
短編
2021/02/13
20:43
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体験者 町田 由香里 (仮名)
東京都 某所
町田さんには密かに楽しみにしている事がある。それは、合法の不倫である。
ある日電気を消して旦那さんと愛し合っていると、突然彼の手つきが強引になった。町田さんを押さえつけるように強く抱きしめる。
まるで別人のような熱い口付け。
いやらしい舌遣いで首筋を舐めてくる、フッと脱力させられると今度は甘く噛みつく。
「ちょっと、どうしたの?」
乱れる呼吸で聞くが、彼の責めは止まらない。身体中を舌や指が這う。
この時町田さんは混乱しながら、ある事を思い出した。
亡くなった不倫相手Kとの行為だ。
Kはとても強引で冷たかったが、顔とテクニックは完璧だった。Kは2年前、交通事故で亡くなった。
旦那さんの愛撫が、Kのやり口そのものになっている。
目が暗闇に慣れてきた。闇の中で薄ら笑いを浮かべているのは、紛れもなくKの顔だった。
「気持ちいいの?」
甘い声で囁かれる。こんな時だけ優しかった、あいつの声。
でも、我慢出来ない。
彼が中に入って来るのを許してしまう。快感で力が抜けて、声が出てしまう。
不貞を働くような背徳感と、屈辱。しかし体は彼を求めて動いてしまう。理性では止められない。
彼女は絶頂した。
「こういうのが、半年に1度くらいあるんです」
朝起きると、いつもと同じ優しい旦那さんがスヤスヤと寝ている。
後ろめたさもあるが、お祓いに行くつもりは無いそうだ。
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