奇々怪々 お知らせ

心霊

渡さんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

トンネルを出たすぐの電話ボックス
短編 2022/05/17 15:32 1,712view

私の生まれは第一村人発見も難しい程の過疎地です。

通勤にはトンネルを6個越えないといけないほどで、山を越えた先にある海辺の集落に住んでいます。

公衆電話はいまはほとんど撤去されて見なくなりましたが、私の通う通勤路にはまだ一つだけ残っています。

6個あるトンネルのうち、最後の1個を越えたすぐそばに設置されています。

その公衆電話には噂があって、夜にトンネルを越えて公衆電話を見ると、女の人が公衆電話の中にいるというものです。

そこは山奥なので歩道はないし、誰でも車での移動が一般的なのですが、ただ一人公衆電話の中にいるだけなんだそうです。

その女の人を見た人は、その先のカーブで事故を起こしてしまう、という噂でした。

その女の人というのが実際の人間なのか、はたまた幽霊的なものなのかは分かりませんが、聞いた瞬間は気持ち悪くて、嫌な話聞いちゃったなーと思っていました。

その話を聞いたあと、しばらくは夜の帰り道にその公衆電話を見るのが怖くて、あえて見ないようにしていました。

しばらくは気になっていたんですが、しかしそんなことあるわけがなくて、私もその話をすっかり忘れていたんです。

だから、その日ふと気になって公衆電話を見てしまったのです。

その時そこに誰かがいたように見えたんです。

視界のはしに見たのでそれが女の人だったのか、男の人だったのか確定は出来ないのですが、確かに誰かいました。

その後、後ろの座席に誰かがいるような気がして、バックミラーで確認しようにも何だか怖くて見れなくて、自然と車のスピードが上がっていました。

カーブの連続に差し掛かる、という所で横から小動物が横切ってきて、慌てて避けましたが危うく事故を起こしそうになり、とっても危ない目に合いました。

その時噂を思い出してぞっとしました。

今もそこを通るときは公衆電話を見ないようにしています。

1/1
コメント(0)

※コメントは承認制のため反映まで時間がかかる場合があります。

怖い話の人気キーワード

奇々怪々に投稿された怖い話の中から、特定のキーワードにまつわる怖い話をご覧いただけます。

気になるキーワードを探してお気に入りの怖い話を見つけてみてください。