小学校に出る中学生
投稿者:gray (9)
小学生の時にはやっていた、七不思議の話です。
私の通っていた小学校は、まぁよくある平凡なもので、特にこれといった特徴のないところでしたが、一つだけほかの学校とは違った、不気味な一面がありました。
首吊りの縄?ですかね?
くくられた縄がかかっている竹が、校舎裏の裏山に生えているんです。
まぁ、くくられているだけなら特段おかしなわけでもないのですが、その縄がくくられている場所が問題で。
三階の教室の窓から見えるところだったので、かなりの高さだったと思います。
窓からはかなり離れており、投げたり手を伸ばしてはかけられない。
下から梯子を伸ばしてかけるわけにもいきませんし、登っていくには幹が細くて心もとありません。
ただただ、ぽつんと、その竹の先にかけられた縄が、今でも印象に残っています。
さて、話を七不思議に戻しましょう。
ほかの七不思議といえばまぁ、花子さんやら目が光るベートーベンなんてものがありまして。
不思議なものといえば、うちの小学校では校長像に腕がついてたせいか、「てけてけさん(校長像バージョン)」なんていう、あぁ、こうやって既存の怖い話が組み合わされて妖怪が生まれるんだな、なんていう感想を抱かせてくれる特徴的なものもあったりしました。
その中に一つ、結構本気で怖がられていた都市伝説がございまして。
「教室棟を一周する中学生」なんて呼ばれているものがありました。
正確には小学生なので教室棟なんて言わず「靴箱ある方」なんていう呼び方をしていたのですが、まぁ職員室や理科室などがない、教室のみの建物を指すところに出る幽霊の話でした。
いわく、毎晩中学生が、焼却炉から靴箱を抜けて、給食センターの横を走り抜けつつ、裏庭で消えるっていう、正確には一周はせずに半周ぐらいなんですが、よくある幽霊の謎行動系怪談でした。
その幽霊にあったから何か起こるのか、といった話は、まぁあるにはあったのですが、たぶん後からとってつけたようなものばかりで。
話の核となる部分としては、焼却炉から半周して裏庭で消えるといったものでした。
今時焼却炉なんかがあるのも珍しい話ですが、昔はごみなどを焼いていたのでしょう。
私の時代にはすでに使われなくなっており、いろいろと危ないゴミなんかが落ちているから近づくな、と先生に厳しく言われている場所でした。
行っていることがばれたらこっぴどく叱られるとはわかっているのですが、そもそも来る人が少ないので、こっそり友達と集まっては、隠して持ってきた遊戯王の交換などにいそしんでいた思い出の場所でもあります。
その日も、私は友達のA君を「聖なるバリアー」でぼっこぼこに倒していました。
小学生が作りそうなトラップのみのデッキであり、相手の攻撃をすべて跳ね返すような、メタられたら即死のガバガバデッキでしたが、身内内ではそこそこの強さを誇っていました。
そんなことをしていると、A君は少し拗ねてから、自分の負けから話をそらすように、焼却炉を指さして言いました。
「こっから中学生が走るって話(上記の七不思議)本当なのかな」
男子小学生というのはまぁバカの塊で、そんな一言から即行動に移すのです。
夜中、と言っても九時ごろですが、抜け出してみんなで正門前に集まるという話をして、その日は家へと帰りました。
確か月曜日だったので、世界丸見え?なんかを見終わった後ですね。
親に忘れ物を取りに行くといい、家を出ました。
ゾクッとしました