廃病院の赤い電話
投稿者:キョンシーズ (11)
驚いて布団から飛び起きるとその音は止み、念のため自分の携帯を確認するも着信履歴はナシ。
(飲み過ぎて幻聴でも聞こえたか?)
とあまり気にせず再び布団の中に入り、就寝しました。
そして翌日。
残りの残置物の撤去を終わらせようと前日と同じく最年少の作業員を連れて病院内を周り、
一通り撤去作業を終えて二階のナースステーションの前を通ると、
何と、前日確実に撤去したはずの赤い電話が全く同じ場所にポツンと置いてありました。
驚きのあまり二人で一瞬硬直しました。
「あれって昨日捨てましたよね?」
「間違いなくな。」
「俺もう無理っす!」
「落ち着け。俺が責任持って廃棄するから。皆には言うなよ?混乱するから。」
「分かりました。」
そう言って私はその電話を手にし、普通の方法ではこの電話は捨てられないと判断し、
翌日除霊が出来る住職さんがいる地元では有名なお寺に持って行く事にしました。
そして仕事が終わり、お寺に持っていくまでの間とりあえず自分の車にその電話を乗せておく事にして
家に帰りました。
現場で起きた不可解な現象を何とか思い出さないように、
この日は浴びるように酒を飲みいつの間にかテーブルに顔を乗せながら寝てしまっていました。
ぐっすりと爆睡をしていると
「ピりりりリリリリリッ!!!」
前日よりも遥かに大きな電話の音が聞こえガバっと飛び起きました。
すると車に置いてきたはずの例の電話がなぜかテーブルの上に置いてありました。
あまりの恐怖に酔いが一気に冷め、
鳴り続けるその電話から一歩、また一歩と後ずさりしながら遠ざかりました。
恐怖で震える脚を何とか動かし、部屋の端まで辿りつくも電話はまだ鳴り続けています。
そしてしばらくすると音が止み、一瞬部屋の中が静まり返った次の瞬間。
独りでに電話の受話器が外れ、そこから何やら
「うぅぅぅぅ・・・・」と女性の呻き声のような音が聞こえてきました。
もはや恐怖で足がすくんで動けなくなった私を余所にその音は段々大きくなり、
次第に何か言葉を発しているように聞こえてきました。
私も行ったことがある
A病院かな?