壁に浮かぶ人型のシミの恐怖
投稿者:峰 (38)
独身時代に住んでいたアパートの話だ。
その部屋は、雨の夜にだけ変なシミが浮かんでくる壁があった。
ある日、雨の音がうるさくて、夜中にふっと目を覚ました。なんの気無しに寝返りを打つと、テレビの後ろに、ぬぼーっとした人影が見える。
一瞬、心臓が止まりそうになったが、よくよく見ると影ではなく壁のシミだ。こんなシミあったっけ?!と思い、部屋の電気をつける。すると、シミも消える。
うわーっと思い、恐る恐る電気を消すと、またシミが現れる。
ガクブルしながら電気をつけたまま布団に潜り込み、朝を待った。
翌日、試しに電気をつけたり消したりしてみたが、シミなんて現れなかった。
おかしいなと思いつつも、それ以来全くおかしなことはないので、段々と寝ぼけていたんだと思うようになった。
しかし、また別の雨の夜。寝ようとして電気を消すと、テレビの後ろに人の形のシミが現れた。ウワッ、と叫んで電気をつけると、嘘のように消える。
その日も私は電気をつけたまま夜を明かした。
それから雨の夜のたび、部屋の電気を消すと、テレビの後ろに人の形のシミが現れる。
しかし、いつもテレビの後ろの同じ位置にシミが見えるだけで何にも害がないし、電気をつければ消える。私は雨の夜だけはずっと電気をつけっぱなしにすることにして、次第にシミのことは気にしなくなってしまった。
暫く経った雨の夜。気が緩んでいたのか、ついウッカリ、部屋の電気を消してしまった。
電気のスイッチに手を掛けた私のすぐ真隣の壁に、シミが現れた。
ギャーーッと叫んで電気をつけ、それからもう消すことができなくなってしまった。
私はすぐに引っ越した。
こわいーーーーーーーーーーーーーーーーー