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心霊

ぴゅんきちさんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

気づかないうちに”憑かれていた”娘
短編 2021/09/15 22:58 1,291view

 娘が高校2年生の時の話です。8月、夏休みが明けて2~3日たったある日、家でくつろいでいた娘が急に大きな声で泣き出しました。小さい子が泣くような感じで「わー、わー。」と叫ぶような感じでした。私は「はい?」という感じで、最初はふざけているのかと思いました。でも、娘は「怖い。不安。気持ちが悪い。」と本気で泣いていました。

 そんな様子が何日も続き食欲も落ちていきました。小さい子が食べるような量しかごはんが食べられないのです。「食べたいのに食べれない。」と更に精神的に落ち込んでいきました。自分の部屋に一人でいたくないと言ってずっと居間のソファに座り込み、夜も不安で一人で寝れないと言い親の部屋で一緒に寝ていました。思春期外来にも行き、軽いうつの薬をもらいましたが症状は改善しません。食べられないので体重もどんどん落ちていきました。10㎏ほど落ちたと思います。

 9月のある日、職場で娘の話をすると職場の人が「よい占いのおばさんがいる。」と教えてくれました。藁にもすがる思いで、娘を連れてその占い師の方を訪ねました。占い師の方は娘の背中をさすりながら「あんた水場のそばで敷居をまたがなかった?」と娘に聞きました。私は全く心当たりがありませんでしたが、娘が思い出したように「あっ!あります。」と言います。

 話を聞くと「6月頃に父親と一緒に滝を見に行き、滝の近くの大きな廃ホテルの玄関をまたいで、ふざけて携帯で写真を撮った。」と言うのです。占い師の方は「あんた、そこからついてきてるよ。」と言って、何か唱えながら背中をばんばんたたいていました。娘はたたかれながら「気持ちが悪い。」と泣いていましたが、たたき終わると泣き止んでスッキリした顔をしていました。

 それから、嘘のように体調も回復し、ご飯も食べられるようになり、泣いたり不安になることもなくなりました。今では、元気に専門学校に通っています。本人も気づかないうちに誰かにとり憑かれていたようです。「心霊写真を撮ろう」というふざけた軽い気持ちが大変なことになってしました。痛い目にあった娘は「二度と同じことはしない!」と心霊スポットにも近づかないように気をつけています。

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