夜の山で

そこそこ早めにキャンプファイアーも終わり、
あとは宿泊所で雑魚寝をするだけでした。
テレビなどもありませんし、とっとと寝るしかないのですが、
こんな状態で子供たちがおとなしく寝るはずもありません。
いっこうに寝付こうとせずにしゃべりあったり
騒いでいる子供たちに、大人がしびれをきらして
「静かにしろ！もう寝ろ！」と注意する。
すると子供たちのうちの誰かが
「寝る前にトイレに行きたい、だれか一緒にいって。」
と言いだし、２～3人で外の掘っ立て小屋トイレに向かう。
返ってきたらきたでやはり素直に寝ずに騒ぎだし、
また大人が「お前ら、もう寝ろ！」と注意する。

するとまた「だれかトイレに・・」と言い出す子がいて・・
というのを２～３回繰り返していました。

3回目か4回目の「だれかトイレに・・」の際には
私はトイレに行かず宿泊施設の中にいました。
3名ほどが外にでてトイレ小屋に向かって数分後でしょうか
突然にトイレに行った数名が絶叫する声が聞こえました。
ビックリしていると、トイレ組が泣き喚きながら
宿泊施設に逃げ戻ってきて口々に
「幽霊が出た！」「お化けが出た！」
などと泣きながら喚き散らしました。
大人たちがなんとかなだめすかして聞いたところ、
トイレ組が用をすまして宿泊施設に戻ろうとしたところ、

広場の向い側にある教会（みたいな建物）の
入り口付近になにか白いものが見えたのだそうです。
そしてそれはよくみたら白い服を着た女の子だったと。

大人たちが泣き喚く子をなだめつつ、しょうがないので
確認のために教会のほうを見に行きましたが、
やはり「なにもなかったよ」とのことでした。
とはいえ泣く子達はなかなか泣き止まず、
「本当に見た！」「絶対に女の子かいた！」
と主張し続けました。
それにつられて他の子供たちの間にも怖い雰囲気が広がり、
なんだかんだで全員がおちついて寝るまで
けっこうな時間がかかったと思います。