そのキャンプ地はキャンプ場とかではなく、車を路肩に停めてそこまで険しくはない山道を15分ほど進んだところにある開けた場所。
歩いて2分ほどのところに綺麗な渓流と滝があり、友人と二人で散策して見つけた最高の場所。
だったんだが、まさか霊がいるとは…
とりあえずテントを張った原っぱに向かった。
霊媒師さんが言うには、その霊が元居た場所に行くと、木魂(モコン?って言ってた)が何か反応を示すはずだと言っていたが、特に変わった様子はない。
川の方にも行ってみたが、木魂には何も起きていない。
そこで、キャンプ地に着く前に別の水系で釣りをしたことを思い出した。
記憶を頼りにその渓流へと車を走らせる。
車を路肩に停め、昔使われていたであろう、川沿いの狭い道を進んだ。
車1台通れるか通れないかのレベルだから歩きで、握った木魂の様子を見ながら歩いた。
木魂は、最初は普通の木の色だったが、ポツポツと黒いシミができ始め、15分ほど歩いたころには燃えているんではと思うくらい熱くなっていた。
道中に、お地蔵様があった。
俺は、爆釣祈願でそのお地蔵様にお菓子をお供えしたことを思い出した。
お地蔵様の目の前に立った瞬間、とてつもない悪寒と激痛が走った。
握っていた木魂が燃えだしていたのだ。
手のひらを盛大に火傷し、とにかくここで憑かれたことが判明したため、俺は燃え盛る木魂をもう一度掴みお地蔵様の前に供えた。
元居る場所に帰ってください。お騒がせしてすみませんでした。成仏してください。とか手を合わせながら心の中で唱えていると、木魂の火が消えた。
良かった、これで終わったんだな、と安堵していた。
すると、霊媒師さんから着信が。
山の中だから電波が悪いが、何とか霊媒師さんの話を聞く。
「心配だから電話したけど、あなた、”まだ”憑いてますよ。木魂はお供えした?場所は間違えてない?木魂に変化があった場所に供えたの?」
と。
俺は黒いシミができ始めてから、発火した段階でお地蔵様があったからそこにお供えしたと伝えた。
「黒いシミができた場所に引き返してそこに供えなさい。急いで。もう一度発火したらあなた死にますよ」
俺は驚きつつも、死にたくはないから木魂を持って黒いシミができ始めた場所に猛ダッシュした。
黒いシミができた時点で、「これ反応したっていうのかな?」と思い周囲をチェックしたおかげで、場所は覚えている。
2~3分でその場につき、木魂を地面に置いた。
どうにか着火する前にお供えできた。
んでどうすればいいんだろう…と思っていると、どっかで見てんのか?ってくらいジャストタイミングで霊媒師さんから電話が。
「終わったみたいやね。後はもう心配いらないと思うから、かえってゆっくり休みなさい。もう”声”も聞こえなくなったよ」
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