和田さんが中学一年生の頃に体験したできごとである。
ホームルーム中に窓の外を見ていると、黒い塊のようなものがスッと落ちていくのを目撃した。
-ドスッ
その黒い何かと重いものが落ちる音。それは和田さんだけでなく、クラスメイトの何人もが目撃していた。
「なにあれ?」
「うわっ」
「きゃっ」
生徒達が口々に疑問や恐怖、驚きの子をあげた。
「どうした?」
先生が全体に問いかける。数名の生徒が窓の下を見に行くので、それにつられて和田さんも見に行く。追って先生も窓に近づく。見下すと、そこには、制服を着た女子生徒が倒れている。
先ほどの黒い塊の正体は、落ちてきた女子生徒だった。
「動くな!」
という急な指示を残し、先生は教室を出て行く。
しばらくして先生が戻ると
「みんなこのまま帰れ」
とまた急な指示を出した。
仕方なく帰路に着き、和田さんは姉に何があったのか聞いてみたという。
「今日のってなんだったの?」
「うちの‥クラスの子?みたいで。私たちもすぐに帰れって言われたから‥」
内容が内容だからなのか、あまり語りたがらない様子だったので、この日は深く聞くことはやめにした。
次の日、朝登校すると急遽全校集会が開かれることになったので、体育館に集合すると校長先生から
「うちの女子生徒が亡くなりました」
と知らされた。
どこから情報が入ったのか、このことをマスコミはすでに聞きつけたらしく、学校周辺で聞き込みをしているので絶対に答えないようにと御達しがあった。
実際、この日の帰り道に和田さん含め、数名の生徒がマスコミに「どんな子だった?何があったのかな?」と声をかけられたが、御達しの通りに無視をして帰ったという。
家に着くと少し後に姉が帰ってきたので
「今回の子のこと知ってるの?」
と再度聞いてみると
「うん。知ってる子‥というか同じクラスの人だから‥」
と途切れ途切れに語りました。

























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