ㅤどこで聞いたかも不可解なのに、妙に頭に残っている──というものがある。これはそんな話。
フェイクを交えるので、矛盾があったらそういうことで。
ㅤ子供時代に、家族でリゾートマンションに向かった際のこと。
システムとしては受付から直接鍵を貰って……というシンプルなタイプ。
リゾマンだけに1LDKでも設備は豪華で、当時は別荘だと思っていたらしい。
ㅤ問題は、その受付にいた管理人だった。
ㅤどうやら夫婦で営んでいるらしいのだが、夫も妻もどうにも子供の目から見ても陰気というか、特にその目に何か違和感があったのだという(ホテルマン=陽気でテキパキ対応してくれるというイメージがあったようで尚更)。
それを父に尋ねると「おっ分かってんじゃん」と。
ㅤ以下要約。
・初回からずっと無愛想で、道楽野郎の商売なのではと思っている。
・実際妙な噂(詳細不明)があった。
・そして『ふみこは分かる』と。
ㅤ当時この『ふみこ』の意味がわからなかったのだが、訳あって両親がそのリゾマンを手放した数年後、答え合わせとなる事件が起こる。
管理人共が、窃盗で捕まったのだ。
その内容は、貴重品ロッカーから拝借。預ける側はリゾマン持ちなのだから、その気になりさえすればよりどりみどりというのは言うまでもないだろう。
ㅤふみこ=235、§235窃盗の罪。
ㅤ陰気な管理人夫婦の目に、父は『蛙』、子は『狐』が見えていたのだという。
仮に違う何かが見えていたとしても、それは偶然ではない。

























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