「え、裕子さんにも、ですか?」
「そうよ、地味で気の弱そうな女でも、怒ると口調が荒くなるのね。
お前のせいだって、言われたわ」
「……どうしてですか?」
「旦那の不倫相手が、私だったからよ」
「ええっ!?」
「小さな町でレストラン経営、仕事も奥さんも地味だしね、そこへタレントを辞めたばかりの、美女で美ボディな私が帰還した訳よ。
そして、『ずっとファンでした』とディップサービスしまくったら、派手で輝いていた頃に感覚が戻ったんじゃない?
たちまち私に夢中よ!
私も2人で会ってる時は、アイドルだった頃の彼と、デートしているようで楽しかった」
「……そうだったんですか」
「話は戻るわよ。
由美子ちゃんのお母さんに言われたのを切っ掛けに、好奇心もあったから、長内先生を誘惑してみたの。
そうしたら彼は見事に私に落ちて、結果、由美子ちゃんは振られた」
「長内先生は若い子……失礼!
……とにかく女子高生くらいの子が好きだったのでは?」
「ふふっ、分からないかな?
長内先生は、ロリコンの前にマザコンなのよ。
ずっとオシャブリしてるのも、小声でしか話せないのも、未熟な未成年にばかり興味を持つのも、自分に自信がないからよ。
内心では常に、誰かの庇護を求めていたのよ。
おそらく過干渉に育てられて、そのまま自立しきれなかったのね。
そんなだから、幼い子供を相手にするように接したら、すぐに私の虜になったの。
ママーって呼ばれたわ。
私としても当時20代後半で、そろそろ結婚と思っていたからね、長内先生は変人だけど、条件は良いでしょ。
彼は、美貌も学歴も地位もお金もコネもある。
でもずっと一緒にいたくはないから、子供産んで離婚しちゃえば、養育費貰いながら好き勝手できるじゃない!」
「……その考えは…ちょっと…怖いですね。
ところで、由美子ちゃんはどうなりました? 先生とは、あっさり別れてくれましたか?」
「いいえ、1ミリも応じなかったわよ。
もう相手にされないのに、一生懸命に小さい子を演じて、毎日のように病院に押しかけては、親に連れ戻されてた。
諦めろと言われても、長内先生と結婚して、小さい子供という意味の、“幼い”由美子になるんだって聞かなくてね、苗字にも執着してた。
だから、由美子ちゃんの幼児化は、先生のロリコン趣味だけじゃなかったのね」























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