第二章 言い伝え
格清邸に入って一番最初に目に入ったのは、お札だった。それはとある場所へ導くように一列になって壁に貼られていた。俺と空田はそのお札を辿った。すると比較的綺麗な仏間が現れた。
けれど、すぐに可怪しいと気付いた。何故なら部屋の中を一周するように床にお札が貼られていたからだ。
「何か、儀式をしているようだな」
空田が急に喋り、俺はビクッとした。
「あ、ああ、そうみたいだな」
そう言った時だった。俺はとある物を見つけた。
「スケッチブック、か?」
スケッチブックの表紙には「夏代様」と書かれている。
「……夏代?」
「夏代って、まさか……」
この村では有名な「別嬪(べっぴん)地蔵」という言い伝えがあった。通り魔に顔を切り刻まれて死んだ女——夏代が、自分の顔を切り刻んだ犯人を呪い殺そうと通りかかった人全てを殺した。だから封印するために地蔵を作った。が、その地蔵を拝むと拝んだ者にだけ呪いが掛かるようになってしまった。今でも、年に一度被害者が出ている。
その夏代の名字。それは確か……
『格清夏代』
幕間(一)
「ちょっと待ってください、聞きたい事があります」
「なんだ?話してる最中に」
「まず、なんで犯人は判っていたのに逮捕しなかったんですか。犯人は格清邸に出入りしていたんですよね。だったら待ち伏せして捕まえればいいじゃないですか」
「それがな……捕まえにくい存在だったんだよ。この小さな村の中では、格清邸は大きな勢力を持っていた。というのも格清家は代々医者で、薬を売っていた。当時、この村には他に病院が無くてな、医者だった格清創也を捕まえる事が出来なかったんだ。たとえ、何十人も何百人も殺していても……」
「成程(なるほど)……」
「話に戻るぞ。そのスケッチブックを柿田は開いた。すると……」
第三章 仏間
「名前か」
スケッチブックには沢山の名前が書かれていた。その名前の下には小さい字で何か書かれている。
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2001
・間戸蓮菜 天袋での意識
・魚田京子 風呂での意識
・空田真奈 空での意識
× 空田翔
























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