友人が振り返る。
「どうした?」
「いや……」
僕は答えず、
ゆっくり振り返った。
向かいのホームを見る。
あの場所に――
まだ立っている。
あの怪異が。
僕は目を逸らそうとした。
その瞬間。
目が合った。
初めてだった。
真正面から。
あの怪異と目が合った。
すると――
さっきまで生気のなかったその目が、
ほんの少しだけ動いた。
僕は反射的に目を逸らした。
あれは、ただホームに立っているだけではない。
まるで、
自分を見ることのできる人間を探している。
そんな気がした。
⸻⸻⸻⸻
その日の帰り。
僕は、あの地上駅を使わず、地下鉄に乗ることにした。
もう、あのホームには近づきたくなかった。
地下鉄のホームに立ち、電車を待つ。
さっき見たものが頭から離れない。
首が折れた人間。
この話は怖かったですか?
怖いに投票する 1票






















※コメントは承認制のため反映まで時間がかかる場合があります。