「先輩、あの場所にいる黒い人って見えますか?」
「見えるわけないだろ。もしかしたら事故物件かなんかじゃない?大島てるのサイト(事故物件管理サイト)で調べてみたら。あー怖い怖い」
言われた通り調べてみると、男性が立っていた後ろの建物には炎のマーク(事故物件である印)がついていた。住居者の死因は、焼身自殺。
「俺が見たのは陰じゃなくて、焦げた人だったんだと気づきましてね。他にも」
この話を聞かせていただいたときから四年ほど前、タクシー運転手になるために山形にある教習所に通っていた今川さんは、そこの教官からこんなことを言われたそうだ。
「髪の長い女性で、赤いワンピースを着てる人に心当たりない?」
学生の頃、クローゼットの中にいた女。
だが、服装や色が違う。
「教官、見えるんですか?」
「お祓いとかはできないけど見るだけなら。この人、今川くんに好意があるんだね」
女性とお付き合いをしても長い関係になりにくかったのは、どうやらこの女性が影響しているらしい。
「害はないんですけどお祓いできるツテもなく、とくに何もしていなくて」
「え!?じゃあもしかしてその人は今も?」
「おそらくは」
「この話、この車の中で聞いてる可能性もありますかね?」
「居れば‥そうかもしれません」
「お会計をお願いします」
自宅前には着いていたのだが、話を最後まで聞きたかったのでメーターは止めないようにお願いをしていたのだ。
地元とはいえ、偶然巡り会った中学時代の後輩。偶然というのは狙って出会えることではない。怪談を語り始め、書き始め、様々な人と話すようになった。
取材や会話を通して自分自身にコミュニケーション能力をつけていき、楽しんでもらうためのコンテンツを作ったり、そのときそのときでできる限りの結果を残していきたい。

























※コメントは承認制のため反映まで時間がかかる場合があります。