「そ、そうなんですね・・・インドかぁ・・・」山田さんはインド人の顔を想像していた。
「そういえば、インドの人たちってハゲの人いないですよね」
「そうそう、インド人でハゲって言ったらガンジーくらいのもんだろ?」
「そ、そうですね~ (かっ、なんて失敬なこと言うんだコノ部長)」
しばし葛藤したが、やはりせっかく生えた産毛をこのまま根絶やしにするのは忍びない。
部長に1万円を出す山田さん。
「じゃあ、明日、ウチにある在庫の100錠持ってくるよ。早い方がいいでしょ?今からインド取り寄せなんていったら2~3週間はかかっちゃうからね」
「ありがとうございます。よろしくお願いします」
「あ、あと・・・あんまり人に言わないでね。あくまでも個人輸入だしさ」
「は、はい、わかりました」
そうして、山田さんのバラ色の人生が始まった。
産毛がどんどん成長し、だんだん長く、太くなっていく。
そして不思議なことに山田さんの髪はちょっとウェーブのかかったようなクセっ毛になっていた。これはつまり、それまでの細くて頼りない髪にもエネルギーが注入され、途中からだんだん太くなったせいだろう。
・・・・・・・・・・・・
ある日、山田さんは約束通り、部長を飲みに誘った。
髪が生えたらおごると約束していたのを律儀に守ったのだ。
髪が生えてきたことは山田さんにとってそれほどうれしいことであり、
クスリを教えてくれた部長には感謝しかなかった。
「まずは乾杯」グラスをチンと音を鳴らす。
「いや~部長のおかげで、長年の悩みが解決して、ほんと今は毎日が楽しいです!!」
「よかったねぇ、山田さん」
二人の間にいろいろ料理が並ぶ。
「ところで山田さん、もう知ってると思うけど、今度私はタイ支社へ行くことになったんだ。そうすると、私のクスリを分けてあげるというのもできなくなるでしょ。だから、今度個人輸入の方法教えるからさ、クスリは自分で買うようにしてよ。馴れればどうってことないからやってごらん。インド現地の製薬会社とか教えてあげるよ」
「はぁ、そうですか・・・。わかりました。やってみます」
こうして山田さんは自分でクスリを個人輸入することになった。
・・・・・・・・・・・・
しばらくして、在庫のクスリもなくなってきた山田さんは、高尾部長に教えられた通り、
インドの製薬会社から個人輸入でクスリを購入した。
だが、届いたクスリは今までと違って白い錠剤だった。パッケージも替わっている。

























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