「あ・・・もしもし・・・母さん?」
「あぁ、おまえ今どこにいるんだい?」
「ごめん、今年もお盆には帰れそうもないや」
「なに言ってんだい・・・なんか遠慮でもしてんのかい? おまえの家じゃないか」
「うん・・・でも・・・」
「もう、いいから早く帰っておいでな。なんなら母さん、迎えに行くよ」
「いや、そんな、大丈夫だよ・・・」
「じゃあさ、今年もおまえの好きなものいっぱい作って待ってるからさ、
迷わないで帰ってくるんだよ」
「わかったよ・・・ありがとう、母さん」
そう言って電話はそこで途切れた。
毎年この時期になると、亡くなった息子からの声が届く。
遠くで、夏祭りの声がする。
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