奇々怪々 お知らせ

呪い・祟り

プルプル布顚🍮さんによる呪い・祟りにまつわる怖い話の投稿です

一膳の箸から始まる怪談
長編 2026/06/22 12:22 974view

『身代塚・鬽世塚区域…?』

 神主に聞いた所、身代塚区域と呼ばれていたのは身代わりを必要とするからで、鬽世塚区域と呼ばれていたのは迷い込んだ人間をあの世へと連れ去る事からだった。
「…何で、今は見代塚区域って呼ばれてるんですか」
「う〜ん、私もあんまり詳しい訳じゃないけど、元々『見代塚家』から祟りが始まったからこの前は見代塚区域って呼ばれてたんじゃないかなぁ。それから区域外の人々が祟りを恐れて、近寄り難い名前で呼ぶようになったと、私は思いますね。」
「成程……あの、枕火さん」
「はい?」
「この区域で子供が大勢亡くなったって聞いたんですが、何で亡くなったんですか」
「…申し訳ございません。私はあまり知らな」
「嘘ですよね」
 澄龍さんが急に言う。

「本当は知ってますよね。何で子供が大勢亡くなったか。私、澄龍庵子の子孫とはいえそういう能力は一切ありません。ですが、今あなたは少し躊躇(ためら)った。能力がなくてもそれぐらい判ります。話してください。」
「…やはり澄龍様は勘が鋭いのですね。そこまで言うのなら、良いでしょう。……殺されたんです。死因は刺殺、細い物———箸で何度も、何度も刺されて死んだんです。それもあの区域で亡くなった子供全員が、です。そして……その子供達を殺害したのが片ノ葉家先祖『 片ノ葉 加里(かり)』なのです。加里は当時七つしかない子供でした。それでいて同い年の子供を、一八名くらいでしたかね……箸で殺害したんですよ」
「…片ノ葉…何故片ノ葉加里は沢山の子供を殺害したんですか」
「申し訳ないのですが、私が知っているのはあと見代塚家には子供が一人、片ノ葉家先祖の子供が二人兄弟だという事ぐらいです。」
「じゃあ、片ノ葉加里に…」
「弟が居たんです。片ノ葉 句里(くり)という…」
「弟ですか……今日は色々話してくださりありがとうございました。」
 我々はこの神社を後にし、車へ戻った。
 かつて見代塚区域で子供が大勢殺害された。片ノ葉加里によって。彼女は何故同い年の子を殺したのか。何故、箸なのか。
「こういう時、珠香が居たらなぁ…」
 水神さんが居たら、もっと早くこの謎が解けていただろうか。

「…何が理由で、殺したんでしょう」
 何故?理由は?
 今日は一旦解散して、また翌日調べる事にした。

 私は番組の方々と解散した後、とある場所へ向かっていた。柄洲駅から電車で約三◯分。そこは、珠香に初めて出会った神社・海橋(かいばし)神社だった。何故か、ここへ行けばこの見代塚区域の謎が解ける気がしたのだ。
 電車から降りて二◯分程歩くと、海橋神社が現れた。あの日の記憶が少しずつ色を取り戻していき、一つの映像となる。
 一度鳥居の前でお辞儀をしてから、境内へと足を踏み入れた。
 その時。
「希菜子」
「え?」
それは珠香の声だった。驚いて振り返るが、誰も居ない。けれど、額(ひたい)を触られた感覚がした。瞬間、脳内に沢山の映像が濁流の如く流れ込んできた。
 そうだ。何故気付かなかっただろう。もうずっと前に、珠香はこの見代塚区域の答えを言っていたのだ。

16/19
コメント(0)

※コメントは承認制のため反映まで時間がかかる場合があります。

怖い話の人気キーワード

奇々怪々に投稿された怖い話の中から、特定のキーワードにまつわる怖い話をご覧いただけます。

気になるキーワードを探してお気に入りの怖い話を見つけてみてください。