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呪い・祟り

プルプル布顚🍮さんによる呪い・祟りにまつわる怖い話の投稿です

一膳の箸から始まる怪談
長編 2026/06/22 12:22 833view

 「おぇ…」
私には何も見えていない間、珠香にはこんなにも気持ちの悪いモノが見えていたとは知らなかった。
「流石に私も吐き気を感じた。随分と厄介なのを引き当てちゃったな。」
「…そういえばさ」
 私は最初から疑問に思っていた事がある。
「何で危険だと判ってて調査してるの?」
当たり前である。普通危険と判っていたらやる訳が無いだろう。
「今更すぎるぞ。…こういうのはあんまりスルーしない方がいいんだ」
「何で?」
「時間を置けば置くほど、より強くなるんだ。簡単に表すと、漬物と一緒だ。時間を置けば置くほどしょっぱくなる」
「成程、つまり呪いは漬物ってことね」
「まぁ、そんな感じだな。さて、そろそろ行くぞ」
「どこに?」

「言わなかったか?片ノ葉ってヤツに会いに行くんだよ」
 珠香と私はベンチから立ち上がり、また歩きだした。
 「そういえば、『凸撃!心霊事件の真相』で片ノ葉さんの名前、仮名になってなかった。普通こういうのって仮名するよね」
「ああ、『普通』はな。あいつ(片ノ葉)、自ら番組に本名で呼ぶように頼んでる。本名にすれば、人が来やすくなるからな。特にあいつの苗字は珍しいし」
「人が来る…とどうなる訳?」
「さぁ?それはこれからのお楽しみだ。」
 三分程歩いた所で一軒家が見えてくる。
「あれが片ノ葉さんの家?」
「そうだ。この家も黒い靄に囲まれてるからな」
やはりこの家も黒い靄が掛かっていたようだ。
「そういえばあいつ、番組では離婚してるって言ってたよな。あれ、嘘だ。」
「エッ!?そうなの!?」
「もう生きてないな。多分儀式の後すぐに事故かなんかで亡くなってる。後、結婚した時にここへ引っ越したというのも嘘だ。あいつ、産まれてから今までずっとこの中(見代塚区域)で生きてきた。」
「つまり番組で言ってたのはガセか…」

「風習は本当みたいだけどな」
 そう話している内に片ノ葉家の前に着いた。ピンポーン、と呼び鈴を押す。
「はい、どちら様でしょうか…?」
番組の時と違い、片ノ葉さんはどんよりと暗い印象だった。
「どうも。記事を書いている『佐藤』という者ですが、少し取材させて貰えないでしょうか?」
珠香が、さも当たり前かのように嘘をつく。私は驚いたが、すぐに珠香の意図に気付いた。
「あぁ、記者の方!どうぞ上がってください!」
片ノ葉さんは私達が記者だと判ると、ぱっと表情を明るくして番組の時と同じように家へ入れてくれた。恐らく、片ノ葉さんはこの見代塚区域に人を来させる為に取材を引き受けている。つまり、取材を上手く「利用」しているのだ。
「早速取材させて頂きます。私達記事でその場所の文化や風習などを書いてまして、そしたらここでは箸に纏わる風習があると聞きました。ここではどんな箸の風習があるんですか?」
 珠香はメモ帳とペンを持って、如何(いか)にも記者といった風に振る舞う。
「ああ、昔からここでは原因不明の病で子供の亡くなる事が多くて!みんな七つになってすぐ亡くなっていったんですよ!それで———」
 それから片ノ葉さんは番組と同じ事を丁寧に説明してくれた。
「成程。ちなみに片ノ葉さんはこの風習をやった事はあるんですか?」
「私ですか?いえ、かなり昔の風習ですから、私はやって無いですよ!もしかしたら、他の家はやってるかもしれませんけど」
すると、珠香がメモ帳に何かを書いてちらりと見せてきた。

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