「でしょ(笑)。裂け目だね、それ」
まるで世間話でもするように、彼女は続けました。
「すごい確率で入っちゃったんだね。わりとってほどでもないけど、なんかあるのよ」
「それって、あの世ってことですか?」
私がそう聞くと、女性は首を傾げました。
「いや、よくわかんないけど、どうやらあの世この世ってだけじゃないみたいなのよね。もっと他にもあるみたい」
そう言うと、彼女はハスキーな声で笑いながら、
「貴重な経験したじゃん」
と言いました。
なんだか私も笑ってしまいました。
岩からその石までは、本当にほんの二、三歩ほどの距離でした。
その女性とはそれ以来会うことはありませんでしたが、彼女の話では、そうした「裂け目」は都内にも何か所か存在するそうです。
もし似た体験をした方がいたら、飲みながら話してみたいなあと思っています(笑)
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