一、二、三、
四本目は半ばから、
5本目の小指は根元から、
切られた肉を想起しそうな凹凸を
折れた指先から覗かせる
手の平に収まる器は
質素でありながら菱形と縄の
古い装飾が施されているようだが、
美しいその連なりが途中で
氷山に空いたクレバスのように欠けている
近くにそれらしい石像も無い事から
手首で折れていたのは元からだと思うが、
器と薬指、小指は俺が蹴ってしまったせいで壊れたのかもしれない
「そんなに強く蹴った気はしなかったけど」と思いながらどうしようかと逡巡したが
授業まで時間もないし
接着剤なんて持ってる筈もない
仕方なく縁石の外側、木々の狭間の雑草のクッションの上にそっと寝かせて手を合わせる
「申し訳ない!」
そう念じてから大学への道を急いだ
正午まで何事もない日常を過ごして
コンビニのカツサンドに齧りつく
”ガリッ…”
と嫌な音が歯を伝って脳内響いた
歯が、痛い
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