目の奥に光はなく、なんの感情も分からなかった。
歩く動作もせず、まっすぐ、そのままの姿勢で、滑るようにスーーーっとこちらに近づいてきた。
俺はなんの抵抗もしなかった。
猫は死ぬ間際、姿を隠す。
母は俺の目の前に立ちはだかって、
「見つけて欲しかった訳じゃなくて最後に逢いたかっただけだったの。」
「ごめんね。」
それだけ言って、消えてしまった。
[完]
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