・・・が、そのほんの6時間後、米軍は本格的にベネズエラに侵攻し、安心しきって眠っていたマドゥロの宮殿に銃弾を撃ちこみ、逮捕してそのまま連れ去ったのである。
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朽屋が米軍によるベネズエラ侵攻の第一報を聞いたのは1月3日の午後であった。
友人であるリネアを訪ねて、九郎丸レンと一緒にスウェーデンのヨーテボリに休暇滞在中であった。3人とも、テレビにくぎ付けとなった。
「まさかこんなことになるなんて・・・ズランプのやろう、やりやがったな!」
マドゥロを逮捕したいという話は聞いていたが、それが軍事侵攻のことだとは予想だにしていなかった。朽屋は焦る気持ちを抑えながら、お世話になったカトリック教会へ電話した。
なかなかつながらない。現地は混乱しているのだろう。
夜の10時を回ってやっと電話がつながった。ベネズエラでは午後5:00だ。
「神父様! 神父様! 無事ですか? みんなは?」朽屋は今にも泣きだしそうだった。
九郎とリネアがそっと寄り添って朽屋を支える。
「おぉ、シスター・ルコ。電話をありがとう。こっちは大丈夫だ。全員無事だ。皮肉というか、米軍の正確無比なピンポイント攻撃のおかげで、市民側には犠牲は出ていないようだ。もっとも、まだ混乱していて正確な情報はわからないが」
「そうですかぁ・・・よかった・・・」ホッとして一気に力が抜ける朽屋。
「子供らは一時避難として教会に避難してきているよ。テオたちもいる。今替わるよ」
(・・・テオ!・・・テオ、おいで、シスター・ルコから電話だ・・・)(ええぇー!・・・)
「もしもし?シスター・ルコ?」
「おおー元気だったかテオ!、無事なのか!?」
「大丈夫だよ! ちょっとびっくりしたけどね!!・・・
それよりシスター、ボクが寝てる間にいなくなっちゃうなんて、ひどいよ・・・」
「ゴメンな。大人の事情ってやつだ」
「大人ってほんと勝手だよなぁ~・・・そうだ、手紙読んだよ。ありがと」
「あぁ、テオ、大きくなったら日本に遊びに来いよな、絶対!」
「あぁ、絶対行くよ。それにしても、シスターの描いたオリベル(翼)とベンジー(若林)・・・
へったくそな絵だなぁ! アハハハ」
「はっはっはー絵は苦手なんだってばよ(笑)」
つかの間の安堵。だが、朽屋の中には他にも拭いきれない不安があった。
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【 マザーの部屋 】
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Manaです。自分で書いてて一番楽しい、朽屋瑠子シリーズ。今回は今年初めに大事件の起こったベネズエラを舞台に、朽屋の活躍を描いたものなります。少年と絡むことで、オネショタ好きな界隈には受けたかもしれないですね。途中から登場のミゲル隊長は自分の中ではランバ・ラルのイメージです。
ところで、自分的に一番ショックだったのが、これを書いてる最中にアメリカがイランを攻撃しちやって大変なことに・・・せっかく最新の戦場を描こうとしたのに、もう古くなってしまいました。
現実の方が物語より早いし、そんなシナリオ描けません。
まさかトランプさん、エプスタインとかから目をそらしたくてこんなことしてんじゃないでしょうね~なんて思ったり。
一応物語はフィクションということで、お楽しみいただければと思います。
・・・それでは、チャオ。