朽屋は少しホロッとしてしまい、顔を赤らめて一礼した。
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【 終わりの始まり 】
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2025年11月25日
この日、マドゥロは気分が良かった。
最近はもう悪夢に悩まされることもなくなった。
だから、米トランプ大統領に直接ホットラインで電話をかけたのだ。
「ごきげんよう、トランプ大統領閣下。ニコラス・マドゥロです」
「わしが合衆国大統領ドラルド・トランプであるーーー!!!!」
(耳から受話器を離すマドゥロ)
「今日は閣下に折り入ってご相談があって電話をいたしました。・・・私、ニコラス・マドゥロは大統領職を辞し、政界から身を引く所存です。その代わりどうか、経済制裁を解除願いませんか? ベネズエラの民は皆疲弊しております。どうぞ、トランプ大統領閣下、寛大なるお慈悲を持って、我がベネズエラをお救いください・・・」
マドゥロは自らの退陣をかかげ、トランプから経済制裁解除を引き出そうとした。
ところが・・・
「ふふふ・・・どうしたと言うんだ、マドゥロ大統領。お主らしくもない。我々はお主の首に5000万ドルもの賞金を懸けているのだぞ。麻薬テロのボスは、麻薬テロのボスらしくもっと悪役を演じてくれねば・・・」
「大統領閣下、誤解です。我が国の一部のギャングどもがフェンタニルなどを密輸しているのは事実ですが、我々が国を挙げてそうした事など一度もありません! だいいち、知っているはずだ!! 米国に密輸されているフェンタニルの大半は隣国コロンビアからのものでしょう!! それをなぜ、我々だけ責められるのですか?! 納得できません!!」
「ふふふ・・・なるほど。お主の言うことももっともだ。ではこうしよう。今度アメリカへ来たまえ。ホワイトハウスでゆっくり会談しようではないか」
・・・結局この電話会談は15分ほどで物別れとなった。
アメリカは今もまだマドゥロ逮捕を狙っている。とてもではないが信用できない。
一瞬、アメリカと和睦したいと考えたマドゥロであったが、それは叶わないことだと悟った。
身の危険、国家の危険を察知したマドゥロはすぐに外交ルートを頼ってC国に接近。C国との絆を世界にしらしめ、米国をけん制しようとした。
が、事態は急展開を迎える。
2025年12月初旬。ベネズエラ沿岸部の港湾施設を中心に、米CIAが主導するドローン攻撃が行われた。アメリカは麻薬組織の拠点を攻撃したなどと世界に喧伝した。
ベネズエラ軍はこのドローンを1機も撃ち落すことができなかった。
・・・もはやこの国に神のミワザはないのである。
2026年1月2日
きらびやかな年明けカウントダウンを終え、迎えたこの日。
マドゥロはC国の特使と約3時間にわたって会談し、600件以上の協力プロジェクトの推進等、親密な協力関係があることを世界に発信した。























Manaです。自分で書いてて一番楽しい、朽屋瑠子シリーズ。今回は今年初めに大事件の起こったベネズエラを舞台に、朽屋の活躍を描いたものなります。少年と絡むことで、オネショタ好きな界隈には受けたかもしれないですね。途中から登場のミゲル隊長は自分の中ではランバ・ラルのイメージです。
ところで、自分的に一番ショックだったのが、これを書いてる最中にアメリカがイランを攻撃しちやって大変なことに・・・せっかく最新の戦場を描こうとしたのに、もう古くなってしまいました。
現実の方が物語より早いし、そんなシナリオ描けません。
まさかトランプさん、エプスタインとかから目をそらしたくてこんなことしてんじゃないでしょうね~なんて思ったり。
一応物語はフィクションということで、お楽しみいただければと思います。
・・・それでは、チャオ。