3発目をステージに向けて撃ちだした。
「・・・頼んだぞ、あの子を守れ・・・出でよ!!地獄の番犬!! レアンカルナシオン!!」
朽屋の放った3発目は、邪神像に食い込んだ。そこから、黒と紫の煙が溢れだした。
右往左往する神官たちや、警護の兵士たち、そしてマドゥロ。
その溢れ出す黒煙の中から、三頭の巨大な狼が現れた。
・・・いや、三頭ではない。それは三つの頭を持った魔獣・ケルベロスであった。
パニックになるステージ。銃を乱射する兵士。
だがケルベロスにはまったく歯が立たない。
石のテーブルで寝そべっているテオを守っている。
そして、咆哮!! 耳をつんざく、心臓が吹き飛ばされそうな、恐ろしい咆哮と巨大な牙。
それらを見た兵士たちはもはや戦意喪失、銃器を放り投げて一目散に逃げていく。
マドゥロも何度も後ろを振り返りながら逃げていく。
マドゥロの心境は複雑だった。
これまでベネズエラと自分を守護してきた神が、何者かに倒された。
それと同時に、これまでの重荷から一気に解き放たれたような安堵感も沸いた。
そして最後に、アレは間違いない、地獄の番犬と言われたケルベロスだ、と見返した。
「なんてファンタスティックなんだ!!」
元来オカルトに傾倒していたマドゥロである。実際に今、目の前で起きていることに
少年のように心躍っていた。ワクワクしながら、走って逃げたのだ。
朽屋の顔をキョトンとしながら見るミゲル隊長。
「ガンナリー・朽屋・・・おまえ、魔法使いかなんかか?」
「隊長、内緒にしといてくださいね。あと、もう1個あります」
朽屋はアルミパックからもう1発弾丸を取り出して念じた。
いざ堕天の子ら地より蘇らん・・・忠節なる地獄のシモベ、血の海を渡り、我の力となれ・・・破滅の蹄にて大地を裂け・・・出でよ鉄血のデストリア!! レアンカルナシオン!!」
朽屋は手にした赤い弾丸を地面に投げつけた。
そこから血のような真っ赤な煙が沸き上がる。
やがてその中から、恐ろしい嘶き(いななき)と共に、鎧を身にまとった真っ赤な馬が現れた。
額にはユニコーンのような鋭いツノ。蹄にはひと蹴りで人間を真っ二つにできそうな刃が付いている。地獄の侯爵、悪魔バルベリトが愛用していた赤い馬だ。
「うーん、赤さん、相変わらず殺意高い鎧だね。怖いからパージね」
朽屋がそういうと、赤い馬の鎧がすべて解かれ、頑丈そうな筋骨隆々とした赤い馬の本体が現れた。


























Manaです。自分で書いてて一番楽しい、朽屋瑠子シリーズ。今回は今年初めに大事件の起こったベネズエラを舞台に、朽屋の活躍を描いたものなります。少年と絡むことで、オネショタ好きな界隈には受けたかもしれないですね。途中から登場のミゲル隊長は自分の中ではランバ・ラルのイメージです。
ところで、自分的に一番ショックだったのが、これを書いてる最中にアメリカがイランを攻撃しちやって大変なことに・・・せっかく最新の戦場を描こうとしたのに、もう古くなってしまいました。
現実の方が物語より早いし、そんなシナリオ描けません。
まさかトランプさん、エプスタインとかから目をそらしたくてこんなことしてんじゃないでしょうね~なんて思ったり。
一応物語はフィクションということで、お楽しみいただければと思います。
・・・それでは、チャオ。