見上げると、灰色の雲が空を埋め尽くしていた。
「これは一雨くるかもしれんな」
そう言って実奈の顔を見た後、二人参道を早足で数歩進んだ時だ。
カランカランカランカラン、、、
突然背後から聞こえてくる鈴の音。
振り返ると本殿の綱が左右に動き、勢いよく鈴が鳴っている。
俺も彼女もぎょっとして立ち尽くした。
のたうち回る蛇のごとく狂ったように動く綱。
鈴の音は止まらず境内に鳴り響いている。
「ねぇ、笑い声が聴こえない?」
実奈が怯えたように言うので意識を集中すると、鈴の音に紛れて確かに聴こえる。
狂ったように笑う男の声が、、、
ア〜ハ!ハ!ハ!ハ!、、、
ア〜ハ!ハ!ハ!ハ!、、、
薄暗い境内に鳴り響く鈴の音と不気味な笑い声。
それはしばらく続き、やがてピタリと止まった。
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