「で・・・これからこの女をどうするので?」問いただすアリー。
「まぁ見ておれ。・・・いでよ、ヒドゥン!!」
ダンタリオンがそう叫ぶと、背後の暗闇の中から何か小さなものがダンタリオンの目の前に飛び出してきた。
「お呼びでしょうか、ダンタリオン様・・・(ニチャ・・・ヌチャ・・・)」
そこには、まばらに毛の生えた、うす茶色い芋虫のような不気味なものがいた。
体中が粘液でギトギトしており、赤や紫と言った血管が浮き出ているように見える。
なんともキモチワルイ芋虫である。
いやそうな顔でそれを見るアリーとケレブ。
「フフ、この者はヒドゥンと言って、我が軍団の中でもとくに潜入と暗殺が得意な使い魔だ」
「人の体の中に侵入し、何年でも待って、暗殺のチャンスをうかがう」
「寄生された者は普段は気付かず、今まで通りに生活するのだ」
「だから暗殺対象がどんな霊能力者でも気づかれずに近づける」
「そして、チャンスが来たら目覚めて、一巻の終わりというわけだ」
「し、しかし・・・朽屋は体術もすぐれており、格闘になればこんな小娘では・・・」
ケレブが問う。
「だから、寝込みを襲うのだ。朽屋が完全に眠っているときに襲うのだ」
「よしんばそのまま刺し殺しても良いし、あるいは例のカラスが現れるかもしれん」
「だがそれこそが我々の狙い。神殺しの剣に触れた瞬間、カラスは神通力を失い、場合によっては消滅するだろう」
「そうなれば、朽屋の背中に刻まれた魔王らの刻印から発する魔力に朽屋自身が耐えられなくなり・・・」
「その場で爆散してこの世から消えよう」
「いずれにしろ、ほんの一刺しでこの件は解決する」
「極東の島国には、そのあとゆっくり侵攻すればよい」
「ふふ、忙しくなるぞ」
そう言って眠っているリネアの元に歩み寄るダンタリオン。
リネアの口を両手で大きく広げる。
「行け、ヒドゥン。朽屋瑠子を暗殺せよ」
「ははっ」そう言うとヒドゥンは跳ねあがり、リネアの口の中に消えて行った。
しばらくして、むっくりと起き上がるリネア。
「うわぁ」驚いて一瞬のけぞるアリーとケレブ。
立ち上がりながらダンタリオンの方へ向き直るリネア。
























kanaです。
久しぶりの朽屋瑠子シリーズは、なんとこれまでの最長22ページに到達してしまいました。
でもたぶん行間も多いし、読めば読めるのではないかと思います。
今回はちょっと笑えるシーン多めですかね。笑ったり、怖かったり、グロかったりしながら、ラストでジーンと来てくれるとイイなと思います。
今、コメント欄はどうも筆者以外の人は書き込めないようになっている感じですが、良いなと思った方はぜひ怖いねボタン押してってください。 ありがとうございました。
kanaです。裏話。
今回タイトルを-事件記者 朽屋瑠子-ではなく、-朽屋瑠子暗殺計画-にしようかと思っていたのですが、忘れてました。忘れてましたがこれでいいです。実はこの-朽屋瑠子暗殺計画-というのは、ウルトラセブンの「セブン暗殺計画」をネタに取り入れようと思っていたからです。なので最初にダンタリオンが朽屋をいろいろ調べるシーンがありますが、あそこはガッツ星人がアロンを使ってセブンをシベ上げるシーンのオマージュにするつもりでした。でも、ガッツ星人にはダン隊員ではなくセブンを暗殺する明確な理由がありましたが、ダンタリオンにはないので、完全オマージュは却下となりました。
後半、九郎とリネアが戦うシーンで、朽屋が「私のために争わないで!!」みたいなセリフを入れようとも考えましたが、まぁ朽屋はそんなこと言わないなとやめました。
それとリネアとのキスシーン。朽屋は感度を上げて調べ上げますが、この時の感度を3000倍にしようかと思ったのですが・・・自粛しました。さすがにそんなにないでしょと。
引き続き、お楽しみください。
↑ シベ上げる× → 調べ上げる〇
応援してます!朽屋瑠子シリーズおもろいです!by読者
kanaです。
22ページ読むのはツライけど、えっちなシーンだけどうしても見たいという御仁は、すべてをすっとばして17ページからお読みください(笑)
↑あー!
読者さんありがとうございます!
一般の方はまだコメント投稿できないのかと思ってました。ありがとうございます〜
全く九郎ちゃんがこんな悪い子だなんて(いいぞもっとやれ)。
いつも通り面白いw待ってました朽屋瑠子シリーズ!、、、いつか小説化しないかな
法王騎士団は大阪府警のマルボウですか?
↑わー、コメントありがとうございます。楽しんでいただいて何よりです。
マルボウはイタダキました。カチコミの時の「大阪(府警)じゃ!!」と略すんだなーというのが忘れられず。・・・法王騎士団、意外とコワイ。
今回は九郎大活躍ですね。しかも今回は九郎がいなかったら朽屋は死んでたかもしれないですからね。いい仕事と悪い仕事の両方を達成しました。
つなみに、自分の中での九郎は「宇崎ちゃんは遊びたい!」の宇崎ちゃん(胸はないバージョン)で、
リネアはなぜかずっと四国めたんが頭の中にいました。