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呪い・祟り

真代さんによる呪い・祟りにまつわる怖い話の投稿です

沈んだ
長編 2025/08/01 18:05 4,233view
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まず初めに、知っていて欲しいことがあります。
この話は、俺の地元で起こった、浜田家失踪事件に関するものになっています。

こちらの都合により、地名、年代は伏せますし、登場する人物の名前は、浜田家を含めて全て仮名です。

事件の詳しい詳細も出てきますが、所々で改変、付け足しを入れています。ご了承ください。

浜田家失踪事件は、俺たちが勝手に名付けた事件で、当時警察にも届け出ましたが、事件性無しと判断されて、捜査される事はありませんでした。

俺がまだ中学生の頃その事件は起きました。

俺の近所に住んでた、浜田さん一家が、突然居なくなったんです。

浜田さん家は、お父さんの剛さん、お母さんの真理さん、当時まだ小学生だった、涼介くんの3人家族。

剛さんはバリバリ仕事が出来るサラリーマンで、地域のゴミ拾い、掃除当番まで、何でも率先してこなしてくれる、とても頼りがいのある大人という印象を、子供ながらに持っていました。

真理さんは、優しくて面倒見が良くて、近所の子供達に、手作りの洋菓子を配ったり、ジュースをご馳走したりしてくれて、とても笑顔が素敵な、いいお母さんでした。

涼介くんは明るくて活発で、運動も勉強も出来る、いわば誰からも好かれて愛される、可愛い男の子でした。年は少し離れているけど、僕もよく遊んであげました。

そんな3人が、何も言わず、突如として姿を消したのです。

仕事も、家も、学校も、

全て、投げ捨てて。

*

*

*
高校を出て、東京の大学に進学した俺は、この事件のこと、正直忘れていた。

事の発端は、去年の夏。

上京して初めて迎えた夏休みに、実家に帰省した。

そこで、旧友の猿田に、しつこく呑みに誘われたのが始まりだった。

「おい〜。犬井〜、呑み行こうぜ!親友だろ?俺ら。」

「親友になった覚えは無いな。悪いけど、実家でゆっくりしたい気分なんだ。また今度にしてくれ」

「そりゃねえって。東京住みの都会派は田舎っぺとは付き合わねぇよ。ってか?!何も連絡よこさず帰ってきて、随分偉そうだなぁ!東京の奴は!」

こうなることは目に見えていたから、俺は帰省することを親にも言わずに帰ってきた。一体どこから俺が帰ってくることを嗅ぎつけたんだ。こいつは…… クソ、面倒だな。

*

気がつくと、近所の古びた居酒屋で猿田と乾杯をしていた。

猿田の”東京コンプレックス”に触れてしまった俺は、呑みに来ることしか、猿田の怒りを沈める方法を知らなかったからだ。

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