あしたから なまえが かわります
ぼくが わるいことを したからです
かみさまが おこっているので
かぞくのために かわります
次のページには、赤い鉛筆で殴り書きのような文字が重ねられていた。
紙が破けそうなほど、力を込めて書かれた文字。
わすれて
目が離せなかった。
けれど、それ以上何も書かれていなかった。
翌朝、母にDVDのことを訊いた。
「昨日見たビデオ、どこやった?」
「何の話? そんなの最初からなかったでしょ?」
母は本当に知らないような顔をしていた。
「母さん、あのさ……かずまって誰?」
「あなたにはもう関係ないでしょ?」
その声は、母の声なのにどこか冷たく機械的に聞こえた。
それ以来、ビデオも日記も見ていない。
何も見なかったことにして、このまま生きていこうと思う。
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