おっさんの表情と言った言葉、目の前にある物体に恐怖した俺はそこからすぐに逃げ出した。
途中で、たまに数人が何だ何だと俺を見ていたが今の俺からしたらそんなことを気にする余裕もなかった。
後ろを振り返ると、おっさんが怒りと嬉しみが混ざったかのような気持ち悪い表情を見せながら
「償えよおおおおおお!クソ野郎おおおおおおおおお!」
と叫び、俺を追っていた。
そんな光景を目にした俺は、泣きながら逃げる速度を自然に上げていた。
だが、すぐに服を何かが掴んでいる感覚がした、おっさんが俺を捕まえたんだと思った俺は死を覚悟した。
その時だった。
「何しているんですか!?貴方!?辞めてください!?」
後ろからおっさんとは別の声が聞こえた、振り返るとそこには、俺にあの塊をぶつけようとしていたおっさんを警察が止めていた。
警察が来たことに動揺したおっさんは、警察の手を振り払って、
「ああああ!なんでいいところで止めるんだよおおおお!」
と叫び逃げていった。
結局、おっさんは捕まることはなかったし、俺が万引きの容疑で逮捕されることはなかった。
俺はあの出来事がトラウマになり、今は家の自分の部屋に引きこもっている。
あの気持ち悪いおっさんが俺にしてきたこと全てがずっと頭から離れない。
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緊迫感と臨場感が素晴らしいです。無駄がなくて、読みやすいです。ところで、警察め、不審者ぐらいきちんと捕まえろ。