俺は絵一本で稼いでいる絵師だ。
とはいっても普通の絵師とは違い、依頼主のところに行き、その依頼主の間近にあるものやいる人物で描いて欲しいものを実際に見て描くという正直言って変わった絵師であった。
そんなことをしている俺は、依頼を待っていると一つの依頼のメッセージがスマートフォンに送られてくる。
依頼主の名前を確認すると、それは4年前に自身の妻を描くようにお願いした鈴木という方であった。
ただ、その鈴木さんはかなりの変わり者であり、住んでいるところは誰も来ないような山の頂上付近のところで、ポツンと一軒家で取り上げられてもおかしくないようなところで、家の中も無数のカラーボールな模様が壁一面に描かれているといった奇妙なものである。
しかし、そんな人である分次はどのようなものを依頼するのか気になり目を通すしたが、残念なことに内容は前のものと同じで妻を描いて欲しいとのことであった。
それから数日後、画材やキャンパスを用意し、電車に乗って、山に着き、山道を辿ること3時間ようやく依頼主である鈴木さんの家に辿り着く。
だが、鈴木さんの家からは前はなかったような強烈な異臭が漂っており、正直言ってかなりの時間入るのを躊躇ったが意を決して玄関のインターホンを押し、来たことを伝える。
すると、鈴木さんはドアを開けて、にこやかな笑顔で入るように言う、俺は言われた通りに家に入ると一つのことに気づく。
さっきよりも異臭がするのだ。
何故だかわからないがそれにより一層不安になりつつ、妻がいるところまで案内しますと言われたため鈴木さんの背を追う。
そして、ついていけばついていくほど異臭は強くなっていく。
鈴木さんが歩みを止めた時には鼻が曲がるのでないかと思うほどの匂いになっていた。
このドアの襖の先に妻がいると言われ、目を凝らすと全く動かない人影がうっすらと見えてくる。
だが、何回も俺は嫌な可能性が頭によぎっていたため瞬きをし再び見るということをし、動かないか確認する。
しかし、そんな感じで鈴木さんの奥さんを見ていると鈴木さんは痺れを切らしたのか
ドォン!
そんな音を出しながら襖を開ける。
そして、目の前の光景を見た途端俺は膝から崩れ落ちた。
鈴木さんの奥さんはまるで手足を自由な方向に曲げられるフィギュアのようになっていたのである。
鈴木さんはそんな俺の反応にお構いなしに
いや〜、大変だったんですよ!抵抗されるし、体の臓物を全部出さないといけないし、それで皮を人形にハメたり目もくっつけられるしたりしたんで結構苦労したんですよ〜!
と、当たり前の所業かのように話す。
何が何なのかわからずに恐怖で身震いしていると
パン!
鈴木さんが手を叩き目を覚まさせる。
そして俺に近づきこう言う
言っとくけど依頼した通りのことできなかったからどうなるか分かるよな?
その圧で押しつぶされそうになる。
だが、言われた通りにしないとどうなるか、それが目の前で示されている以上は何が何でも描かずにはいられなかった。

























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