俺は中学校の教師をしているのだが一つ問題があった。
それは俺の担当するクラスの生徒である山一くんが問題行動を起こしまくっているということだ。
山一くんは分かりやすく言うと少し気に入らないことがあるだけで暴れるタイプで、例えば、家庭科の裁縫の授業で中々針の穴に糸を通すことが出来なかっただけで机をバンバン叩き発狂するのである。
そんな感じであったため、同級生の親からは苦情が何個も来ていることと、教師として生徒に対して流石にこんなことを何回もされていると直接的な表現は避けるべきではあると思うが正直何らかの障害を患っているのでは自分は感じたため、5日前に山一くんの両親に苦情が来ていることなどを伝えると、
「私達の息子は普通です!何ですか!息子を侮辱するつもりですか!気持ち悪いです!さっさと帰ってください!」
などと一方的に言い続けて話にならないため、謝罪をして何とかその場を凌いだ。
だが結局この対応によりそれから、苦情は俺の担当する保護者だけでなく先生からも来るようになり、6時頃、職員室で書類作りをしている時にはもうヘトヘトになっていた。
そんな状態であるということを察したのか、隣の席で同じく書類を作っていた鈴木さんが
大丈夫ですか?ここ最近ずっと限界そうな顔してますよ。
と心配の言葉を掛けてくれた。
その言葉を聞いた俺はかなり限界に近づいていたこともあり、ベラベラと今まで溜め込んでいた不満を鈴木さんに言った。
鈴木さんは親身になって話を聞いた後、労いの言葉を俺に掛けた。
その時の笑顔の彼女を見た時俺は少しだけ気が楽なった。
それから、俺は先ほどのこともあり書類を何とか7時半に完成させることができた。
そして、俺は学校から出て、帰ろうとしていたところだった。
校門に誰か人がいた、気になってよく見てみると、それは山一君であった。
山一君は俺と目があってすぐに、早足で俺に近づき、そして、自分がミスした時するのと同じように俺に対し泣きながら狂ったように叫び続けた。
すると、山一君は一通り叫んだあと冷ました顔になり、消えていった。
流石にこんなことされると思わなかった俺は今起こったことに対する衝撃で十数秒くらいは動けずにいた。
そして、翌日になり起きてすぐ、ぼーっとしていると職場用のスマホが鳴り、何だ何だと思い電話に出てみると衝撃的なことが明かされた、
何と昨日の6時半に山一君は横断歩道の信号を無視して轢かれて死亡してしまったのである。
ショックで電話が切られてしばらくは放心したかのような状態だったが、一つのことを思い出しハッとする。
そう、山一君が事故にあった後、俺が家に帰ろうとした時に会っていたことである。
ということはあの時の彼は幽霊だったのか、でも幽霊になった後なんで俺にあんなことしたんだ?なんて呑気に考えていたが、結局考えても何も変わらないと思い辞める。
それから数日後、俺がいつもように職員室で仕事をしていると鈴木さんが入ってきて俺に言う。
「山一君、死んでしまいましたね。ほんとにショックですね。」
そういってはいたものの鈴木さんの顔は抑えきれず笑を浮かべているような表情となっており、顔には前までなかった黒いアザがあった。























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